高額療養費、受診抑制は「実際にやってみないと分からない」?!

肺腺癌ステージ4で闘病中の水戸部ゆうこさんが呼びかけた、高額療養費制度の負担上限額引き上げに反対するオンライン署名は5万8154筆が集まり、2月20日、厚労省の鹿沼均保険局長に手渡しました。署名に協力したがん当事者ら4人を含め、保団連も立ち会いました。

 

受診抑制は「実際に見てみないと分からない」(鹿沼保険局長)

署名提出後、鹿沼局長との面談で、多数回該当のみ据え置く政府修正案によって受診抑制は発生しないのか尋ねると、「引き上げの結果として患者の行動がどうなるかは、実際に見てみなければ分からない」と回答。実態調査などについても「事後的に検証する」と答えるのみでした。

しかし、高額療養費制度で負担限度額引き上げを実際にやってみて、治療中断があってからでは遅すぎます。その責任は誰が、どう取るのかを訪ねると、「制度を守ることがわれわれの責任だと思っている」との回答でした。

 

重病患者に負担させて制度を守る?!

しかし、高額療養費にかかる費用は総医療費(45兆円)の約6.3%に過ぎず、重い病気と闘う患者さんに、さらなる負担をさせて財源をひねり出すという手法そのものが、社会保障制度の破壊行為です。

水戸部さんは「人の命を何だと思っているのか。あまりにも軽視している」と憤りました。