【要望書】麻疹感染者増加阻止のため、緊急対策を求める要望書

2025 年6月19日

厚生労働大臣 福岡 資麿 様
予防接種推進専門協議会 岩田 敏 委員長

全国保険医団体連合会
地域医療対策部
医科部長 細部 千晴

麻疹感染者増加阻止のため、緊急対策を求める要望書

日本は、2015年に麻疹ウイルスを排除した国として世界保健機関(WHO)から認定されました。しかし海外からの旅行客が急増する中で、感染者が急増し、麻疹から新生児・乳児等を守る緊急な対応が求められています。
優先順位として1歳児を優先となっている理由としては、SSPE(亜急性硬化性全脳炎)を1例も出さない対策でもあるためです。
国立感染症研究所の感染症週報によれば、2025年累計ですでに135例の感染が報告されています。
国内での麻疹を制御するにはワクチン対策を強化するしかありませんが、MRワクチンは3社のうち武田薬品工業が出荷停止中であり、12月以降の見通しも立っていません。
厚労省は出生数が70万人を切り、2社でも足りるという見通しのようですが、1期以外に昨年の2期接種漏れ児、今年の2期接種待ち児、5期定期接種対象者、海外旅行者、妊娠を希望する人、生涯2回接種していない人が対象となります。これでは到底充分な供給量が確保とは思われません。医師会等からは1歳児を優先してくださいと通知が出ていますが、そもそも必要な量のワクチンが入荷されない医療機関もあります。
このため、次のような対応を行っていただきますようお願いいたします。

一.緊急対応として、MMRワクチン(輸入ワクチン ・国産ワクチン)の緊急承認を検討するなど、充分な供給量が確保できるようにすること。

一.流行を阻止するために、0歳児がいる保育園等においては未接種児が発熱した際には登園を数日間自粛していただくなどの集団保育の場でのルール作りを検討すること。

一.学会などとも連携してワクチンの優先的供給体制を確立すること。

要望書[PDF:131KB]