
特定非営利活動法人日本アトピー協会が6月26日にアトピー性皮膚炎の治療に必要な薬をこれからも保険適用を継続することを求めるオンライン署名を開始されました。政府の骨太方針2025でOTC類似薬の保険適用除外について検討する方針が示されたことを受けての呼び掛けとのことです。
特定非営利活動法人日本アトピー協会
署名活動の主旨
署名活動主旨
このたび、政府はアトピー治療に欠かすことのできない外用薬や保湿剤を保険適用から除外を検討する方針が示されました。
除外が検討されている「OTC類似薬」には、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など、皆さんがクリニックで処方してもらわれているアレジオン錠、ムコダイン錠、ザジデン、アレグラ錠、クラリチン錠、タリオン錠など多くのお薬が対象となっています。
「OTC医薬品」とは、薬局やドラッグストアなどで、処方せん不要で購入できるお薬です。そして、OTC類似薬とは、病院やクリニックで処方せんが必要なお薬で、OTC薬に似ている薬(OTC類似薬)を保険適用から除外するとしています。
アトピー性皮膚炎は、強烈な痒みを伴う慢性の皮膚疾患病です。患者さん方は24時間365日、痒みを感じない時はありません。その上、寝ている間も無意識で掻いてしまい、翌朝、症状が悪化する日常を過ごされています。
症状が改善すれば保湿剤のみで症状を維持できるようになりますが、ようやく良くなった状態をキープするための保湿剤が無ければ、症状は悪化に向かいます。
アトピー患者さんが保湿剤と外用薬を使用することは、目が悪い方がメガネを必要とされることと同じ。虫歯にならないように毎日、歯を磨くことと同じです。アトピー患者さんが毎日を過ごすために、欠かすことのできないお薬です。
しかし、お薬を塗ったから治ったとはならず、毎日のケアを1日、もう1日と長期にわたり続けることが必要です。そして、皮膚科・小児科専門医が症状を診なくては、適切なお薬は処方出来ません。
通院することは、お薬と症状の答え合わせの意味もあります。
自らの判断で購入し、副作用が発生したことも過去に何度も起こっています。
OTC類似薬が保険適応外となれば、長期治療が必要な患者さんの経済的負担が大幅に増え、治療が継続できない事態が発生することは明らかです。
日本医師会・日本薬剤師会・全国保険医団体連合会からの反対声明
各会からも、受診控えに伴う健康被害が生じたり、患者さんの経済的な負担が増えるほか、薬の適正使用も難しくなるとして、OTC類似薬の保険適用除外に反対する意見が出ています。
https://www.med.or.jp/nichiionline/article/012078.html 日本医師会
OTC類似薬の保険適用除外・11万床の病床削減 厚労大臣「自公維の3党合意を踏まえ適切に対応」 – 全国保険医団体連合会
全国保険医団体連合会
『医師による診察を必要とする患者さんが治療のために使用する薬』に関しては、これまでと同様に保険適用としていただくことは全く健全な考えではないでしょうか。ぜひとも賛同のご署名を頂けますよう深くお願い申し上げます。 拝。
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024(最新版)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/ADGL2024.pdf?_fsi=pE0D1xMs
NPO法人日本アトピー協会
代表理事 倉谷 康孝
スタッフ一同