「一部保険外療養」の法解釈が「療養の給付全部」から「薬剤限定」に変更されました

2026年5月28日

改正健康保険法で創設される「一部保険外療養」に関して、5月28日参議院厚労委員会において、これまでの国会で繰り返し答弁されてきた法案63条第2項第6号の法解釈が変更されました。その結果、改正法第63条第2項第6号「その他の療養…」の法解釈が療養の給付全部(法63条第1項第1号から第5号)ではなく、法63条第1項第2号「薬剤又は治療材料の支給」に限定されることになりました。

【参考】

第六十三条 被保険者の疾病又は負傷に関しては、次に掲げる療養の給付を行う。

一 診察

二 薬剤又は治療材料の支給

三 処置、手術その他の治療

四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護

五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

 

第六十三条

2 次に掲げる療養に係る給付は、前項の給付に含まれないものとする

六 要指導医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第 四条第五項第三号に規定する要指導医薬品をいう。)又は一般 用医薬品(同項第四号に規定する一般用医薬品をいう。)との代替性が特に高い薬剤を用いた療養その他の適正な医療の提供を確保しつつ、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑みその要する費用のうち一部を保険給付の対象としないものとする療養として厚生労働大臣が定めるもの(以下「一部保険外療 養」という。

【5月28日参議院厚労委員会の質疑抜粋】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

小西洋之議員

5月26日の私の質疑における健康保険法改正案第63条2項6号の一部保険外療養の条文解釈について、厚労省として整理したとのことで答弁を求めます。

間保険局長

一部保険外療養については、自由民主党、日本維新の会連立政権合意書を背景に、両党の政調会長間合意や大臣折衝事項を定める際や、社会保障審議会、医療保険部会等において、医療用医薬品の処方を受ける方と、OTC医薬品を購入する方との公平性を確保する観点や現役世代を中心とする保険料負担を軽減する観点から議論を行ってまいりました。

その上で、連立政権合意の趣旨が、現役世代を中心とする保険料負担の軽減にあることや、社会保障審議会医療保険部会等の議論の対象は、OTC類似薬であることを念頭に置き、その保険給付の見直しについて、議論を行ってきたことを立法目的、立法事実としております。

一部保険外療養の規定ぶりについては、法第63条第2項第6号の「その他の療養」との文言だけで解釈すれば、薬剤に限定されない旨を答弁しましたが、今申し上げた議論の経緯、その状況も含めた立法目的、立法事実、同号の前段に代替性が特に高い薬剤を用いた療養と記載されていること、附則の検討規定は、OTC類似薬の諸状況を踏まえると規定されていることも踏まえれば、当該規定の趣旨としては、法第63条第1項第2号に規定する薬剤のみを対象としたものと解釈しております。

なお、この解釈については、過去の質問主意書で示された法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、議論の積み重ねのあるものは、全体の整合性を保つことにも留意して、論理的に確定されるべきものとの考え方にも基づくものと考えております。

 

小西洋之議員

前回は、すべての療養分野で保険外療養を認めたという解釈でしたが、歴代政府が国会に約束している法令解釈のルールに基づいて、法理として、薬剤のみを対象とする条文であるという確定解釈を整理し答弁したものと受け止めました。憲法13条、25条に基づく国民皆保険制度の崩壊を防ぎ、それを守り抜く修正、答弁を得たものと認識いたします。