【OTC類似薬の保険除外】がんや難病患者、アトピー性皮膚炎、抜歯後の痛み止め、寝たきり患者の便秘薬は配慮対象

2026年6月26日

5月29日に可決成立した改正健康保険法で「一部保険外療養」が27年3月から導入されます。OTC類似薬の保険除外される医療用医薬品は2027年3月から77成分1100品目の医療用医薬品を対象に、薬剤費の25%が保険除外(追加負担)となります。6月末から4回開催される有識者会議で追加負担を徴収しない配慮対象者を選定される。厚労省は、配慮対象者についてがんや難病患者、低所得者、入院患者、長期使用が必要と認められる患者を例示しており、保団連は配慮対象者の拡大を要望していきます。厚労省は一部保険外療養を適用しない配慮措置の対象者について第1回目となる有識者検討会を6月25日に開催しました。

厚労省は有識者会議では、がんや難病患者、公費医療の対象患者に加え、アトピー性皮膚炎など通年使用が必要な疾患や抜歯後のロキソニンなど処置の一環で処方されるケース、寝たきりの活動量低下に伴う慢性便秘症に対して、酸化マグネシウム処方など類型ごとに負担を求めない範囲を提案しました。

 

「別途の負担を求めない者」と「求めない療養」の範囲の基本的な考え方

 

がん患者

・診断名のみで一律に別途の負担を求めないこととするのではなく、がん治療中であり、かつ治療に関連して対象医薬品が使用されている場合に、別途の負担を求めないことと整理してはどうか。
・「がん治療中」の考え方は確定診断名としての「がん」(疑いを除く)を前提としつつ、診断名のみによらず、治療実施状況(薬物療法、放射線治療、緩和治療、がん治療に関連して生じた状態への治療等)と組み合わせて判断してはどうか。

難病患者

医療費助成の有無にかかわらず、指定難病患者としてはどうか。対象となる療養の範囲は、難病法に倣い、当該難病と関係する療養について別途の負担を求めないこと整理としてはどうか。

配慮が必要な慢性疾患

配慮が必要な慢性疾患を抱えている方は、国の公費負担医療制度による継続的な治療・医療管理に対する配慮に着目し、国の公費負担医療を受けている者については別途の負担を求めないことと整理してはどうか。対象となる療養の範囲は、それぞれの国の公費負担医療で助成を受ける範囲と整理してはどうか。

入院患者

入院患者に対し入院中(退院時を含む)に処方された医薬品は、別途の負担を求めないことと整理してはどうか。

処置・手術等の一環の処方

処置・手術等の一環として別途の負担の対象となる医薬品が処方される場合について、当該処置・手術と一体不可分であり、かつ当該処置と密接に関連する範囲について別途の負担を求めないことと整理してはどうか。
また、その具体的な範囲について、
・対象とする処置の範囲として、診療報酬点数表第3部「検査」のうち、生検、穿刺その他の侵襲を伴う検査、第9部「処置」、第10部「手術」を基本とする整理でよいか。
・処置後から一定の適切な期間の処方についてどのように考えるか。

医師が長期使用等が医療上必要と認める場合

医師が長期使用等が医療上必要と認める場合(通年処方)について、単に使用期間の長さではなく、医師の診断や治療の下で年間を通じて症状が持続し通院する必要があり、対象となる医薬品を通年で服用することが医療上必要と認められる方に着目して、別途の負担を求めないことと整理してはどうか。
その上で、

・内服薬は年間処方日数を目安としてはどうか
・外用薬は医師の継続使用指示を前提とした慢性疾患や受診頻度を用いてはどうか

妊婦等 OTC医薬品の添付文書に服用しないこと

OTC医薬品の添付文書に「服用しないこと」に関する基本的な考え方は、次の整理でよいか。
・OTC医薬品の「服用しないこと」に記載される項目は、年齢制限、疾患、症状、併用薬制限、部位、性別、妊婦・授乳等、多様な項目を有することから、一律に別途の負担の対象外とするのではなく、一部保険外療養はOTC医薬品の購入を勧める趣旨ではなく医師への必要な受診を前提とした制度であるという本制度の趣旨を踏まえて整理することとしてはどうか

 

 

処置に伴う処方に該当する具体例

・抜歯直後に、疼痛管理を目的として数日分の鎮痛薬が処方される場合。
・皮膚の小外科処置後に、創部感染予防を目的として短期間の抗菌薬(外用薬)が処方される場合。
・褥瘡の創傷処置後に、創部保護を目的として短期間の外用薬が処方される場合。
・皮膚生検後に、疼痛管理を目的として数日分の鎮痛薬が処方される場合。
・熱傷処置後に、熱傷部位の疼痛に対して鎮痛薬が処方される場合。(「熱傷に伴う痛み」と「処置に伴う
痛み」が同時に起きている。)

「通年処方」に該当すると考えられる場合

「通年処方」とは、暦年で365日連続して使用されていることを形式的に求めるものではないものの、1年という単位の中で、医師が年間を通じた症状の持続と治療の継続性を確認し、当該医薬品の長期使用等が医療上必要であると認めている状態を指す

内服薬の通年処方の考え方

内服薬(屯服薬を除く)については、処方日数が比較的正確に把握できることから、年間の処方日数を用いて、1年を通じた使用実態を外形的に確認することが可能である。年間処方日数がおおむね50週であることを目安として整理してはどうか。

(※)「通年処方」に該当すると考えられる場合
・例えば、寝たきりの活動量低下に伴う慢性便秘症に対して、酸化マグネシウムを「90日分ずつ年4回」、「28日処方を概ね月1回」又は「リフィル処方箋の使用により同一処方が年間を通じて継続」で処方される場合

外用薬の通年処方の考え方

医薬品がどれだけ処方されたかではなく、医師が慢性又は再発性の疾患に対して、当該医薬品を日常的に継続して使用すること(例えば、毎日塗布すること)を指示し、継続的に処方しているかどうかに着目して
、通年処方かどうか

「通年処方」に該当すると考えられる場合
アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎等の慢性又は再発性の皮膚疾患等に対して、医師が日常的に使用(毎日塗布等)を指示しており、その前提のもとで、定期的の受診の都度、継続して外用薬が処方。

「通年処方」に該当しないと考えられる場合

・冬(3~4ヶ月)に集中して処方。
・医師による継続使用の指示がなく、1~2回だけ大量に出て、他の月には出ない。
・症状の有無に応じた断続的使用を想定し、少量を数回、念のために出している程度。