【熊本地震】令和8年熊本地震における被災者医療と医療提供体制確保に関する緊急要望書

2026年8月6日

2026年8月6日

内閣総理大臣 高市 早苗 様

厚生労働大臣 上野 賢一郎 様

全国保険医団体連合会

会長 竹田 智雄

 

令和8年熊本地震における被災者医療と医療提供体制確保に関する緊急要望書

 

令和8年熊本地震は、マグニチュード7クラスの本震により多くの家屋被害が発生し、酷暑下での避難生活を余儀なくされ、被災者は身体的・経済的な大きな負担を強いられています。冷房設備のある避難所確保など熱中症対策は被災者の健康確保、震災関連死防止のためにも最優先で取り組むべき課題です。被災された方々の生命と健康を守るための医療支援と、被災地域の医療体制の復旧・復興は、緊急の課題であります。

下記の通り緊急要望書を提出いたします。早急の対応をお願いいたします。

 

 

1.医療費窓口負担、介護・障害福祉利用料、保険料の免除措置について

(1)特例措置による医療費一部負担金および入院時の食事及び生活療養費一部負担金の免除、保険料(税)の免除等を講じること。

(2)被災者の介護保険の保険料および利用料 、障害福祉サービスの利用料負担の免除等を講じること。

 

2.被災地域の医療機関への給水、医薬品等の迅速に供給すること。

(1)被災地域の医療機関に対する医薬品、医療材料、食材などの供給・確保を国の責任で実施すること。

(2)医薬品や医療材料が全国的に不安定な状況だが、迅速な供給・確保をメーカーに周知・指導すること。

(3)被災地の医療機関等に不足している給水、ガソリン、自家発電用の燃料等を十分に供給できるよう必要な手だてを講じるとともに、一刻も早いライフラインの復活を求める。

 

3.被災者への医療支援等を担う医療機関へ支援すること

(1)被災地の療養型病院において急性期医療を行った場合や患者の受け入れを行った場合、投薬・注射、処置など包括範囲について、出来高払いを認めるなど、必要な手立てを講じること。

(2)被災者に対する入院医療を円滑に確保するため、他医療機関受診の規制を凍結し、病院、診療所、介護事業所間の連携が不利益なく行われるようにすること。

(3)被災地における在宅医療確保のため、往診や訪問診療、訪問歯科診療、訪問看護等を実施する車両については、駐車許可証(駐車禁止除外標章)がなくても、医師、歯科医師、看護師等であることが証明できる場合は駐車禁止区域でも駐車を許可すること。

 

4.熱中症対策、感染症対策、ジェンダーの視点に立った避難所の設置・運営を行うこと。

(1)酷暑下で避難生活を強いられる被災者の熱中症対策を十分に実施すること。避難所として使用される体育館にエアコンを設置し、非常用電源・給水設備を確保すること

(2)災害関連死を防ぐため、避難所での雑魚寝、車中泊による避難を早急に解消し、熱中症、エコノミークラス症候群の防止に向けて保健師等による巡回・健康管理を実施すること。口腔ケアを実施し、誤嚥性肺炎を防止すること

(3)避難所に必要な数の仮設トイレを設置し、被災者に十分な量の栄養のある食事を提供すること。障害者対策の確保を行うこと。

(4)感染防止対策の徹底、間仕切りなどによるプライバシーの確保、避難者数に応じた男女別トイレや障害者用トイレ、オストメイト対応トイレの設置、授乳室や生理用品、下着などの確保、女性用更衣室の確保などを図ること。

(5)避難所における性暴力防止の措置を徹底するとともに、女性が避難所生活で抱える不安や性暴力被害に対応するための相談窓口を設置すること。

(6)うがい、手洗いの励行など感染症対策を講じること。歯ブラシ、マスクやアルコール等の衛生材料を各所に常時設置すること。

 

5.早急に国の負担で必要な数の応急仮設、みなし仮設住宅(ホテルを含む)を設置すること。

 

6.被災者に対する予防接種を公費負担により実施すること。

被災地で瓦礫や泥水の撤去等を行う被災者、及び被災地の支援活動に従事するボランティアで、破傷風ワクチンの接種を希望する者については、国がワクチン接種費用を公費で負担すること。また「心のケア」など長期的な見通しにたった継続的な医療支援を行うこと。

 

7.被災した医療機関および福祉施設への復旧・再建のために緊急支援を直ちに行うこと。

地域住民の生命と健康を守る立場から、公的、民間問わず被災医療機関の医療機能の復旧・再建にむけ、支援対策を激甚災害法や特別立法の対象とするとともに、緊急かつ必要な支援措置を国や県をあげてとりくむこと。

(1)震災に起因する医療機器(歯科ユニット、リハビリ機器、レントゲン等の検査機器、電子カルテ等含む)の損壊に対する財政支援を実施すること

(2) 医療施設等災害復旧費補助金の対象を全ての民間医療機関(病院、有床診療所、無床診療所、歯科診療所、歯科技工所等)に拡大し、補助割合を大幅に増やすこと。被災医療機関に対する制度の周知の徹底、十分な申請期間、申請方法の簡素化を図ること。

(3) 中小企業等「グループ補助金」等について、医療機関への周知を徹底し、十分な申請期間を設けるとともに、申請方法の簡素化を図ること。

(4) 災害復旧のための「医療貸付事業」について、融資の全期間を無利子とし、返済開始時期や融資期間を延長すること。また、貸付限度額を大幅に引き上げること。

 

8.「被災者生活再建支援法」を直ちに改正し、被災者が生活再建を行えるよう、支給金額を850万円に引き上げ(生活再建支援制度の限度額を350万円に増額し、居住安定支援制度の限度額を500万円に増額)、支援対象を半壊、床上浸水、一部損壊世帯まで拡大し、全ての被災者に支給するなど抜本的に改善をすること。