月刊保団連2026年7月号

2026年8月28日

特集「クマ出没と私たちの社会」

近年、クマによる人身被害が増加傾向にあり、環境省によると2025年は人身被害236名、そのうち死亡者数13名で、いずれも過去最悪となった。2026年は冬眠明けの春から各地でクマが出没しており、さらなる被害の増加が懸念されている。クマに襲われた際の受傷部位は顔が最も多い。外科だけでなく、耳鼻咽喉科、眼科、口腔外科などによる処置に加え、深刻な心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負っている場合は精神科によるケアも必要となるため、多科の連携を要することもある。クマの出没が増えている背景として、急速な人口減少と過疎化で人間とクマの生息域の境界が曖昧になってきたことなどが考えられる。人命に関わる以上、一定の駆除・捕獲は避けられないが、その一方で、クマとの共存を可能とする環境づくりも忘れてはならないだろう。新しい時代の人間とクマとの関係はどうあるべきか。クマ外傷の治療、クマを巡る環境の変化、生態系におけるクマの役割、人類の生活文化とクマとの関わりなどから考える。

中永 士師明

小池 伸介

坪田 敏男

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