【要望書】コロナ禍に高齢者にさらなる負担をかけ、受診抑制を招く「75歳以上医療費窓口負担2割化」は中止してください

※全国保険医団体連合会では、下記の声明を発表し、各政党、各国会議員及びマスコミ各社に送付しました。(PDF版はこちら[PDF:137KB])

2022年1月17日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 貴職におかれましては、国民の生命と暮らしを守るため、日夜国政の重責を果たされていることに心より敬意を表します。
本会は、会員医師・歯科医師10万7千人を数える全国の保険医協会・保険医会の連合会です。
政府は、75歳以上の患者窓口負担を今年10月から2割に引き上げることを決め、2022年度予算案で300億円の削減を見込んでいます。
長引く新型コロナ感染症のもとで国民生活は困窮を極め、医療や介護の受診、利用手控えで高齢者の健康悪化も懸念されています。当会が会員医療機関に行った調査では、医科の24.3%、歯科の48.4%で直近半年間に受診の遅れや重症化事例を経験していました。具体的事例では、高血圧、糖尿病、認知症、骨粗しょう症の悪化や歯科受診の手控えによるう蝕の進行・多発及び重症化(歯髄炎、抜歯等)などが寄せられ、高齢者の深刻な健康悪化の事例も多数寄せられています。
ましてや高齢者ほど新型コロナ感染による重症化のリスクは高くなっています。受診をためらうことは高齢者のいのちに関わります。
このような状況のもとで、よりいっそう受診抑制を招き、高齢者の早期受診、早期治療の機会を奪う窓口負担2割化は中止すべきです。
私たちは、国民のいのちと健康を守る医師・歯科医師の団体として、高齢者のいのちを脅かす2割化を、このコロナ禍で強行することに断固反対します。
以上のことから、各党および国会議員各位に対し、下記事項の実現を要望します。

一、 「75歳以上医療費窓口負担2割化」を中止する法案を提出し、成立させること
一、 「75歳以上医療費窓口負担2割化」により削減を見込む予算案の組み換え修正を行うこと

以上