第3回 対象病院拡大、徴収金額引上げ 紹介状なし定額負担

2022年度医科診療報酬改定を視る

診療報酬改定の概要と特徴を連載でお届けします。

2022年4月6日

「紹介受診重点医療機関」に拡大へ

2022年度診療報酬改定では、紹介状無しで大病院を受診した場合に徴収を義務付けている定額負担について、対象病院の範囲を広げるとともに、徴収金額を引き上げました。患者負担増を梃子にフリーアクセス制限を進めます。
対象病院が、特定機能病院、地域医療支援病院(200床以上)から、一般病床200床以上を持つ「紹介受診重点医療機関」 にまで広げられます。紹介受診重点医療機関とは、医療機関(病院、有床診)が都道府県に行った外来機能報告(10月定例報告)に基づいて、医療機関の意向も踏まえつつ、地域で基幹的に「医療資源重点外来」(例:抗がん剤治療、放射線療法、短期滞在手術、紹介外来)を担うものとして確認された医療機関です。紹介受診重点医療機関になり一般病床で200床を持つ病院は、定額負担が義務付けられます。

 

外来徴収2千円増、入院患者にしわよせ

定額負担の金額(最低基準)が、初診時は、医科で5千円から7千円に、歯科で3千円から5千円に引き上げられます。再診時は、医科は2,500円から3千円に、歯科は1,500円から1,900円に引き上げられます。
関連して、大病院志向の患者には初診・再診料相当分は保険給付しなくて良いとして、引き上げた金額(初診:2千円、再診:400円、500円)は給付より外される運用が導入されました。例えば、初診(医科)で5千円から7千円に引き上げた場合、患者負担は2千円増えますが、その2千円分は公的医療保険財政より給付されないため、病院の収入に変わりはない形です。「病院が儲かるのではないか」などの誤解も含め、窓口でのトラブルや混乱が懸念されています。周知期間も見込み、紹介受診重点医療機関での徴収開始は2023年夏以降になりそうです。また、再診時に定額負担を徴収しなくても良い患者の範囲が縮小されるとともに、紹介・逆紹介の患者が少ない場合に初診・再診料が減算される措置について、地域の医療機関に患者をより多く戻す(逆紹介する)よう要件が厳しくされました。
なお、紹介受診重点医療機関になり定額負担が義務化された場合、外来患者の減少が見込まれるため、実質上の代替填置として、入院患者1人(初日)につき800点の紹介受診重点医療機関入院加算が新設されています。病院の手上げを促進する誘導策ですが、入院患者にはとばっちりともいえます。

一般外来での保険免責制も視野に
2千円相当などを保険給付より控除する仕組みは、7割給付を維持するとした2002年改正健保法附則を実質的に反故にするものです。「政策医療」を口実に保険給付しないことを正当化する措置となり、事実上、保険免責制の導入に近いものです。財務省は、この仕組みを援用して「かかりつけ医」以外の受診時定額負担の導入を図る構えを示しています。大病院受診については、定額負担徴収ではなく、医療相談はじめ患者への教育・理解を進める丁寧な取組が求められます。

以上