国連総会での決議に則り、 イスラエル・ハマスは即時停戦し、ガザ地区への人道支援を

【声明】国連総会での決議に則り、

イスラエル・ハマスは即時停戦し、ガザ地区への人道支援を

 

保団連会長 住江憲勇

 パレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃と、イスラエルの報復攻撃によって、子どもや市民に多数の死傷者が出ている。10月17日には、ガザ地区ガザ市にあるアル・アハリ病院が攻撃され、多数の死傷者が発生した。その後も多数の医療機関が攻撃を受けていると報道されている。いかなる理由があれ、軍隊が民間人を殺傷することは許されない。まして、医療機関を攻撃することは断じて許されることではない。国際人道法上、すべての民間人は守られなければならない。ハマスが多数の人質を奪ったことも決して許されない。即時の解放を求める。同時にイスラエルによる攻撃は、子どもを含めた一般市民、病院を空爆する明らかな国際人道法違反であり、蛮行といわざるを得ない。生命と健康を守る医師・歯科医師として強く抗議する。

また、10月27日、国連総会はイスラエルとハマスの大規模衝突をめぐり、双方に対し「敵対行為の停止につながる即時かつ持続的な人道的休戦」を求める国連決議を121ヵ国の賛成多数で採択した。しかし、イスラエルや米国など14ヵ国が反対し、日本政府は棄権した。「人道的休戦」を求めた国連決議を棄権することは、人命を軽視するものである。日本政府はハマスによる戦闘行為は「無差別テロ」と非難するもののイスラエルに対しては非難・抗議することを避けている。また、国会質疑でも野党の質問に対して、岸田首相は、イスラエルによる子どもを含めた一般市民への無差別攻撃を「国際法違反」との認識を示さなかった。人命軽視も甚だしく言語道断である。

日本国憲法第9条は、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」ことをかかげている。

あらためて、私たちは、生命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、今回のイスラエル・ハマス紛争に対し、子どもたちと市民の命を守るため、すべての戦闘行為を即時停止し、ガザ地区への人道支援に全力をあげることを強く求める。

また、憲法第9条をかかげる日本政府は、イスラエルとハマス双方に対し、即時停戦をはたらきかけるべきである。