【声明】「一部保険外療養」創設で国民皆保険の根幹が壊される 健保法等改正案は廃案しかない

2026年4月24日

                                 2026年4月24日

「一部保険外療養」創設で国民皆保険の根幹が壊される

健保法等改正案は廃案しかない

 

全国保険医団体連合会

会長 竹田 智雄

 

4月24日、衆議院厚労委員会において「健康保険法等の一部を改正する法律案」が採決されました。

本法案にある「一部保険外療養」の創設は、薬剤費を公的保険から外していくもので、我が国の公的医療保険制度の根幹に関わる大問題です。審議も22時間ほどにすぎません。十分な審議も行わず、拙速に採決を行うことは許されません。本法案は廃案にすべきです。

 

対象薬剤、負担割合の拡大に歯止めがない

現行の健康保険法では、疾病・負傷に対して、診察、薬剤、処置・手術、看護などを一体で保険給付しています(第63条第1項)。今回の「一部保険外療養」は77成分1100品目の医薬品について薬剤費の25%を保険外として追加負担を求める内容で、日常的に治療に要する医薬品を保険給付から外すことにほかなりません。また、今後、対象範囲や負担割合を拡大していくことが昨年末の財務・厚労大臣の「大臣折衝事項」に明記されています。法案の附則にも同様の趣旨が盛り込まれており、法令上、歯止めなく対象薬剤や負担割合が拡大していくことが懸念されます。

 

大臣裁量で際限なく保険外が可能となる

重大なのは、「一部保険外療養」の対象範囲について、大臣裁量で薬剤以外の「その他の医療」にも拡大されかねない規定になっていることです。

この懸念に対し、国会質疑で保険局長は「現時点では想定していない」としつつも、上野厚労大臣は「(健保法の)規定ぶりとしてはそう読める」(※4月15日厚生労働委員会)と述べ、薬剤以外に対象拡大することを否定しませんでした。

 

年400円の保険料軽減と引き換えに現役世代も負担増に 

政府は現役世代の保険料の軽減(上昇の抑制)を強調していますが、見直しに伴う保険料軽減は加入者一人当たりわずか年400円(月33円)にすぎません。他方、受診したら、薬代の一部は保険が利かず、追加負担となります。例えば、花粉症で受診する患者(内服1種類、点眼・点鼻を処方)の事例では月1,500円の負担増になります。現役世代もかえって負担増となります。

当会が呼びかけている「薬の追加負担をやめてください」署名には短期間で11万人を越える署名が寄せられています。また対象となる薬を使用する患者からは、「痒みや痛みが生活に及ぼす影響を軽視しないで」「安心して生活させてほしい」など切実な声が寄せられています。

あらためて患者の命や健康、生活を脅かし、国民皆保険制度の根幹が壊される本法案は、拙速な採決を行わず、徹底審議の上、廃案とするよう強く求めます。