2026 年8月7日
内閣総理大臣 高市早苗 様
財務大臣 片山さつき 様
厚生労働大臣 上野賢一郎 様
全国保険医団体連合会
副会長 井上美佐
医薬品安定供給等の実現を求める要請書
2027 年度予算に関する議論が開始されている。薬価専門部会でも 2027 年度薬価中間年改定を実施する方向で議論が開始されている。医薬品の供給不安定はいまだ解消せず、安定供給等を実現する議論が求められる。
供給不安いまだ解消せず 薬の変更や処方調整等が常態化
医薬品の供給状況は現在でも全品目の約1割(このうち後発品は約6割)が限定出荷、供給停止状態である。医療現場では代替薬への変更や処方調整等への対応が常態化している。医薬品の安定供給は、本来、製薬メーカー・業界が責任を持って実現すべきであるが、問題が長期化する背景として、政府が医療費削減策として後発品薬価を長年引き下げてきたこと、これ加えて近年の物価高騰が大きく影響している。
「逆ザヤ」割合上昇 医療機関への負担転嫁は本末転倒
厚労省が7月に公表した医薬品の仕切り価に関する調査では、原材料費の高騰等を理由に、仕切り価が薬価を超えて「逆ザヤ」となる割合が全包装単位の 6.9%となり、過去3年間を通じて上昇傾向にあると示された。逆ザヤの 82%を後発品が占めた。(7月 23 日「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」資料)。
低薬価と物価高騰による供給体制の不安定化は深刻だが、メーカーの負担を逆ザヤという形で医療機関に転嫁し、結果医療提供体制が不安定化しては本末転倒だ。帝国データバンクが7月に公表した調査によると、物価高騰等の影響で、2026 年上半期の医療機関の倒産は 39件と過去最多ペースで推移している。医療現場には深刻な疲弊が生じており、これ以上の追い打ちは許されない。
当会は、政府が医療・社会保障費の抑制策を抜本的に転換すべきであることを強調した上で、医薬品の安定供給等の実現に向けて、下記のとおり要請する。
記
1.薬価中間年改定について、①高すぎる薬価の新薬を中心に改定し、後発品や長期収載は対象外とする等、薬価が適正に保たれ、安定供給が保障されるよう改善すること、②不採算品目の薬価の十分な引き上げ、最低薬価の十分な引き上げ等を行うこと、③高薬価の新薬を中心に薬価改定した上で、薬価改定財源を使い医療機関の物価高騰対策、医療従事者の賃上げを行うこと―以上を求める。
2.2027 年度予算において、供給確保医薬品をはじめ医療現場に普及し必要性の高い医薬品の原薬の国産化等の安定確保策を講じること。
3.逆ザヤとなる取引について、厚労省として適正な取引となるよう監督、指導すること。


