中止法案の提出を 国会議員・厚労委員に要請

全国保険医新聞5月25日号より

 保団連はこの間、75歳以上の窓口負担2割化の中止を求めて、毎月の国会行動などで各党国会議員に請願署名を提出するとともに、立憲など野党各党の議員に対して個別に要請を強めてきた。こうした取り組みは、立憲民主党・厚生労働部会での住江会長からのヒアリングにつながるなど国会の動きを作っている。保団連は「2割化」中止法案の提出と参院選での争点化を目指し、6月中旬の国会会期末までに国会議員への働き掛けをさらに強めていく。

国会で争点化のチャンス
立憲民主党

保団連の住江憲勇会長は4月28日、立憲民主党の中島克仁、吉田統彦両衆院議員と相次いで懇談し、「75歳以上の医療費窓口負担2割化」の中止に向けた取り組みについて意見交換した。両議員とも医師で、衆議院の厚生労働委員として党の厚労・社会保障部門の政策に関わっている。
住江会長は両議員に対し、「立憲民主党が中心となって中止法案を提出し、国会質問でも政府を追及し、『2割化中止』を7月の参院選の目に見える争点にしてほしい」と要請した。懇談には、「2割化中止」で共闘している全日本年金者組合、日本高齢期運動連絡会、中央社会保障推進協議会の代表者も同席した。
中島議員は「第7波とも言われる状況の中で、窓口負担2割化は食い止めなければならない」「かつて『指定公費負担医療制度』によって、70~74歳の高齢者の窓口負担を1割に据え置いた経験もある」として、「『2割化中止』を参院選の公約に掲げ、世論に訴えるよう党内の合意を図りたい」と述べた。
吉田議員は、「中止法案は国会での議論のきっかけになる」と述べ、残る国会会期中での補正予算審議などの場で政府を追及し、争点化するチャンスはあるとした。

他党にも働き掛けたい
日本共産党

4月21日、保団連と全日本年金者組合、日本高齢期運動連絡会、中央社会保障推進協議会の代表は、日本共産党の宮本徹衆院議員と懇談。「2割化中止」に向けた取り組みについて意見交換した。そのうえで10月実施を中止に追い込む取り組みを強めていく決意を共有した。宮本議員は衆議院の厚生労働委員。
宮本議員は同日開かれた、議員会館前での「2割化中止署名提出アピール集会」にも出席し、参加者を激励した。集会後に同議員室を訪れた各団体の代表は、署名の取り組みが全国で進んでいることを紹介。宮本議員は「残る国会会期中、他党にも働き掛け、『2割化10月実施中止』に向けた動きを作っていきたい」と述べた。また、「7月参院選の争点にするためにも、『2割化中止』に向けた署名等の運動の広がりが重要であり、国会の中と外で引き続き連携していきたい」と話した。
保団連は同日、日本共産党参院議員で厚生労働委員の倉林明子議員とも懇談、意見交換した。