総点検後も変わらずマイナトラブルが発生  12月の保険証廃止で医療現場は大混乱に  ―マイナトラブル調査に8672医療機関が回答

保団連が実施した23年10月以降のマイナ保険証トラブル調査(最終集計・1月31日)には、41保険医協会・保険医会(38都道府県)から8672医療機関から回答いただきました。

回答医療機関の59.8%(5188医療機関)で10月1日以降もマイナ保険証、オンライン資格確認に関するトラブルが「あった」と回答しました。

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不安払拭に程遠い

政府のマイナンバー総点検本部(12/12)において、河野太郎デジタル大臣は「不安払拭の措置を取ったので健康保険証を廃止する」と言いました。

しかし、トラブルがあったと回答した医療機関(5188医療機関)から総点検後もトラブルが続いており、トラブルの種類や割合を見ると「解消」には程遠い状況にあることがわかりました。

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「該当の被保険者番号がない」が25%(1321医療機関)
「資格情報の無効がある」が49%(2554医療機関)
「名前や住所の間違い」が21%(1071医療機関)
「名前や住所が●で表記される」が67%(3492医療機関)

 

オンラインで資格を確認したいのにデータが「無効」と表示されたり、データそのものが登録されていないなどシステム自体が不完全な状態にあると言わざるを得ません。

名前・住所違いも相変わらず続いており、患者さんが持参された健康保険証の券面記載をいちいち確認しないといけない事例が多数報告され、医療機関の受付業務が渋滞し、患者さんとのトラブルまで発展しかねない状況が続いています。発生割合も6月調査月時点とほとんど変化しておらず、マイナ保険証を利用することは医療現場にとって大きなリスクを抱えている状況と言えます。

 

15%で「負担割合が違う」 

「負担割合の齟齬」が15%(776医療機関)、「限度額認定に誤り等があった」が6%(307医療機関)、「カードリーダーでエラーが出る」が40%(2063医療機関)となりました。

政府は、「カードリーダーの精度を向上させた」、「負担割合の誤表示はシステムを改修した」と説明していますが、ほとんど変化していません。負担割合の誤表示により保険請求した場合は、患者と医療機関双方に多大な影響が生じます。

 

「一旦10割負担」が少なくとも403医療機関で発生

他人の情報に紐づけられたが102医療機関(2%)で確認

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他人の情報に紐づけられていたケースは2%(102医療機関)、「間違った医療情報が紐づけられていた」が2%(99医療機関)、トラブル対応で403医療機関が「いったん10割負担を患者に請求した」と回答。件数は少なくとも753件となります。

政府は、2023年7月で医療保険に関する紐づけミスの点検は終了したと報告していますが、実際には、その後もマイナンバーの紐づけミスが発覚しています。

 

83%が健康保険証でトラブルを回避

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トラブルを経験した5188件のうち、83%の4300件が「健康保険証で資格確認した」と回答しました。健康保険証でマイナトラブルを回避しているのが実態です。

岸田首相や河野大臣は「不安を払拭するための措置を取ったので24年12月2日に健康保険証を廃止する」と述べましたが、トラブル続きの中、健康保険証を廃止すると医療現場は大混乱に陥ります。今からでも遅くありません。岸田総理は「保険証残す」決断をすべきです。