スマホ搭載(マイナ保険証)は医療機関のカードリーダーで使えないの!?【河野大臣 4月19日衆議院本会議】

マイナ保険証機能のスマホ搭載を含む「新マイナンバー法」(正式名: 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案(213国会閣40))が4月19日の衆議院本会議で河野太郎デジタル大臣相が趣旨説明を行い、野党代表として、立憲・中谷一馬議員(神奈川選出)が質問しました。

河野太郎デジタル大臣は新たな事実を含めて以下の答弁を行いました。

  • スマホ搭載したマイナカードは医療機関で設置された顔認証付きカードリーダーに入らないものがある、この対応を厚労省で検討している。

  • 次期マイナカードと現在のマイナカードを併用するためにソフトウェアの改修が必要

  • iPhoneのスマホ搭載は交渉事で相手方がいるので時期は言えない

  • マイナカード本人確認機能のスマホ搭載はOSごとの開発が必要なため2026年を超える可能性もある。

判明した事実と問題点

3月の参議院地方デジタル委員会の審議で、伊藤岳議員(共産)の質問に対して河野大臣や厚労副大臣が明確にスマホ搭載にあたり医療機関のカードリーダーのリプレイスは不要と何度も答弁していましたが、虚偽答弁だったことがわかりました。

 

3月21日参議院地方デジタル委員会審議録

資格確認方法がなんと8種類に! 河野太郎デジタル大臣「保険証廃止後は便利になる」は医療機関に混乱をもたらすだけ – 全国保険医団体連合会 (doc-net.or.jp)

【スマホ搭載・マイナ保険証の導入時のコスト負担】

伊藤岳議員:スマホ搭載されるマイナ保険証は医療機関で設置されている顔認証付きカードリーダーで読み取れるか?

厚労副大臣:厚労省としてスマホによるマイナ保険証利用が可能となるよう検討している。

伊藤岳議員:現在の機器では現段階ではできないのか。そうなると、オンライン資格確認システムなどの改修が必要となるが改修のために新たな費用が発生する、医療機関等にも現在設置しているカードリーダーの改修や交換が求められる。医療機関等のカードリーダーの改修や交換に係る費用、ランニングコストなどはどこの負担になるか?医療機関の負担になるか?

厚労副大臣:基本的には、現在のマイナンバーカード及び次期マイナンバーカードに代わっても、医療機関における顔認証付きカードリーダーの交換は必要ない。交換に伴う費用は発生しない。

伊藤岳議員:改修費用は発生するはずだ。マイナ保険証とスマートフォンの一体化によって医療機関等が新たに負担することになる費用について、見積りはあるか?

厚労副大臣:次期マイナンバーカードは顔認証付きのカードリーダー(ハード)は基本的に変更なく、ソフトウエアの対応で対応できる。医療機関に対する負担が過重なものとならないように、今後、デジタル庁とも連携して検討していく。

伊藤岳議員:過重かどうかは別としても、医療機関の負担になる。今の段階でどれぐらいの負担になるか見通せないということではないか。カードリーダーの設置に当たっては、当初のカードリーダーの設置に当たっては、医療機関は、業者との事前のすり合わせだとか、カードリーダー設置工事のために、臨時の休診など手間が取られた。今回のカードリーダーの改修などに当たっては、同じようなことにならないか?。

厚労省日原審議官:次期マイナンバーカードは医療機関等における顔認証付きカードリーダーの交換を必要とせず、医療機関等の対応は過重なものとならないよう、今後、デジタル庁とも連携して検討を進めてまいりたい。

伊藤岳議員:25年度からのマイナ保険証とスマートフォンの一体化、そして26年度からの新マイナンバーカードの導入など次々と開始されようとしている。医療機関も患者・国民もなかなか追い付いていかない。

河野太郎大臣:新しいカード、これは今のマイナンバーカードと暗号方式が変わるために新カードを導入する。暗号方式が変わったからといって、現在のカードリーダーで顔認証することに何ら変わらない。スマートフォンにこのマイナンバーカードの電子証明書を搭載をする、これもカードリーダーでNFCで読み取る。次々に新しいサービスができて、マイナンバーカードを持たなくてもスマホで病院が受診できる、あるいは、高齢者の医療助成の受給権や子供の小児医療の受給権もスマホに搭載することになれば、もうスマホ一つでそうしたものもできる。診察券も統合することができれば、もう一つで全部受診をすることができて世の中大変便利になる。

 

来年にはマイナカードのiPhone搭載はホント?

 マイナカードのiPhone搭載について、河野太郎大臣は3月29日の記者会見で、来年の確定申告には実現するかのように吹聴していましたが、結局、時期も名言できず、交渉中とトーンダウンしました。次期マイナカードも現行マイナカードと混在することによる費用面や運用面からの混乱は避けられません。また、OSやソフトウェアの開発が必要なためコストが全体でどれくらい必要か開発時期も含めて実際に運用されるサービスの内容やコスト評価が皆無であることがわかりました。

iPhoneへマイナ機能搭載「次の確定申告で」 河野氏、年内実現に意欲 | カナロコ by 神奈川新聞 (kanaloco.jp)

一旦立ち止まるべき

河野デジタル大臣により拙速に提出された法案はマイナカードのスマホ搭載を含む新マイナ法案は拙速に進めるべきではなく一旦立ち止まるべきです。

 

4月19日本会議 河野太郎 デジタル大臣 答弁

 

マイナカード機能のiPhone搭載

Q 電子証明書機能の搭載に関する交渉開始時期と実現しない理由は

A 相手方がある交渉という性質上回答を差し控える

 

マイナカード(本人確認機能)のスマホ搭載

Q 改正法におけるカード代替電磁的記録のスマホ搭載について

A 制度的にOSを問わないが、OSごとに異なる開発が必要なため、2026年を超える可能性を含め実現時期を回答することは困難

 

スマホ搭載マイナ保険証のカードリーダー対応

Q 医療機関等の顔認証付きカードリーダーでスマホ搭載のマイナ保険証は使えるのか

A マイナカード機能のスマホ搭載は、現在のカードリーダーにはスマホを置けないものも一部あり、対応含め厚労省においてスマホによる健康保険証の利用が円滑に行えるよう厚労省で検討している。

 

次期マイナカード対応

Q 次期マイナカードと現行のマイナカードの並存期間中はカードリーダーは使えるのか?

A 新旧両方のマイナカードを取り扱えるようにするためカードリーダー等のソフトウェアの開発が必要となる。各医療機関における負担軽減と支援と合わせて具体的な検討を今後行う。