福岡厚労大臣「保険証廃止は堅持」 石破首相の「保険証併用も選択肢」発言はどうなったのか?

現行の健康保険証の新規発行停止まで残り2カ月を切りました。8月のマイナ保険証利用率は12.43%と低迷したままです。こうした中、10月2日の就任会見で福岡資麿厚労大臣は12月2日に健康保険証の新規発行を停止する方針は「堅持する」と発言しました。

自民党総裁選でマイナ保険証を巡る議論が行われたことについて、マイナ保険証への移行で不利益を感じることがないよう、当面、デジタルとアナログの併用を含めて様々な対応を丁寧に講じていく」と答弁。前大臣・前政権と変わらず、マイナ保険証推進の固執し、あくまで12月2日のスケジュールは変更しない姿勢の強調しました。

首相「保険証併用も選択肢」発言はどうなったのか?

石破首相は、総裁選を通じて「納得していない人、困っている人がいっぱいいる状況があれば保険証との併用も選択肢として当然」と見直し検討を発現していましたが、平デジタル大臣、福岡厚労大臣の発言から政権政策としては完全にトーンダウンしています。国民世論との乖離がより明確になりました。保団連は、10月1日に石破総理に保険証併用発言の通り廃止見直しを求める要望書を提出しました。また、10月27日衆議院選挙では、健康保険証の存続を争点化を掲げて広く世論に訴えていきます。

石破総理「保険証併用」発言の通り保険証残してください – 全国保険医団体連合会 (doc-net.or.jp)

10月2日 福岡資麿厚労大臣記者会見

記者

健康保険証の廃止とマイナ保険証への移行について2点お伺いします。石破首相は総裁選にあたり、12月2日としている健康保険証の廃止期限について、国民の不利益や不安が解消されない場合に、時期を見直す可能性もあり得るとのお考えを示していました。福岡大臣の下、健康保険証の廃止を予定通り12月に行うのか、時期を見直す可能性があり得るのか、お考えをお聞かせください。

厚労大臣

まず言うまでもありませんが、マイナ保険証は、患者本人の健康・医療情報に基づくより良い医療の提供を可能にするほか、救急時の活用を含め、適切な医療の提供に大きく寄与するものだと考えています。その利用促進を図っていくことが極めて重要であると考えており、12月2日に保険証の新規発行を停止する方針については堅持したいと考えています。一方で、総裁選でも議論にありましたように、マイナ保険証が使えずに困っている方などの様々な不安の声も寄せられていることもあると承知しています。まずはマイナ保険証への移行で不利益を感じる方がないように、当面、デジタルとアナログの併用を含めて様々な対応を丁寧に講じていく必要があると考えており、マイナ保険証へのスムーズな移行が図られるよう対応に万全を尽くしていきたいと考えています。

記者

保険証の廃止を決定するに至った大臣間の協議や首相への報告についてですが、弊社のこれまでの取材で記録がないことがわかりました。保険証の廃止という国民に大きな影響を与える政策決定のプロセスが不透明な状態となっています。このままで国民への説明責任は果たせるのか、国民の納得と共感を得て政策を進めるためにどのような対応を取るべきだとお考えかお聞かせください。

厚労大臣

現行の保険証の新規発行の終了の方針については、政府全体としてマイナンバーカードの普及や国民の利便性向上に向けた対応を総合的に取り組む中で、最終的に、令和4年10月13日に関係閣僚と方針を確認の上、デジタル大臣から発表されたものです。また、マイナンバーカードと保険証の一体化については、医療を受ける国民、医療を提供する医療関係者などの理解が得られるよう、丁寧に取り組む必要があるため、「マイナンバーカードと保険証利用の一体化に関する検討会」を開催し、必要な検討を行った上で、関連法案を令和5年の通常国会に提出し、慎重にご審議の上、可決・成立をしていただいたところです。様々な広報手段を通じて、国民の皆様に対して丁寧にわかりやすい説明に努めてきたところですが、引き続き丁寧な説明を行っていくよう努めてまいりたいと考えています。