【当選者リスト】衆院選当選者の５５.１％「廃止すべきでない」「廃止延期すべき」　

当選者の過半数「保険証は今のまま」

　第５０回衆院総選挙は１０月２７日、投開票され与党過半数割れとなった。選挙にあたりＮＨＫが候補者アンケートを行い、「マイナ保険証で保険証廃止の是非」を問うていた。衆議院４６５人中、「廃止すべきでない」「廃止時期を延期すべき」と答えた当選者は２５６人により議席比率は５５・１％となった。政府は、１２月の保険証廃止の方針を見直すべきだ。

１０月２７日に投開票された第５０回衆院選では、自民党と公明党の与党は公示前の２７９議席を大幅に減らし２１５議席と、過半数（２３３議席）を割り込んだ。対して、立憲民主党は９８議席から１４８議席と大幅に増やしたほか、国民民主党は７議席から２８議席に、れいわは３議席から９議席にそれぞれ議席を増やした。共産党は１０議席から８議席に減らした。
ＮＨＫは、立候補者に、政治とカネの問題や経済政策など、さまざまなテーマについてアンケートを実施。社会保障の分野で、「マイナ保険証で保険証廃止の是非について、
マイナンバーカードと保険証の一体化にともない、いまの健康保険証を１２月に廃止する政府の方針についてどう考えますか」と聞いた。
当選者４６５人中、「廃止時期を延期すべき」と答えたのは１５２人、「廃止すべきでない」と答えたのは１０４人、合わせて過半数を超え２５６人（５５・１％）に上った。
昨年の保険証廃止法案に「賛成」した政党でも今回のアンケートで「廃止時期を延期すべき」と答えた議員は、自民（４８人）、公明（３人）、国民（１６人）、維新（８人）の計７５人に上った。さらに自民（２人）、国民（２人）の計４人が「廃止すべきでない」と答えた。
「保険証を残す」ことを公約にした政党全体でみれば、公示前１１２議席から１６７議席と大幅に議席を増やし、得票数は２１５３万票と自公の２０５４万票を超える。

協会・医会の活動が争点化に寄与

協会・医会、保団連は、与野党問わず、患者・国民、医師・歯科医師の要求実現に尽力する国会議員を一人でも増やそうと努力してきた。総選挙にあたり実施したマイナ保険証トラブル調査第４弾の結果の発表や、議員・政党アンケートなどに取り組み、「保険証を残す」ことの争点化に結び付けてきた。
今回の選挙結果は、「保険証を残せ」運動で示された協会・医会、保団連の存在感、運動の力量・熱意が与野党、所属政党・会派をこえて、多くの国会議員を動かすことができる条件が整った。
野党第一党の立憲民主党野田代表は、開票作業が進む中、今後、優先したい政策として「現行保険証の存続」を挙げた。
政府は、当選議員がアンケートで回答した「公約」実現のため、１２月２日の保険証廃止の方針を見直すべきだ。