石破首相は11月29日の所信表明演説で保険証新規発行停止を前に、「国民の不安に迅速に応え丁寧に対応する」と述べました。マイナトラブルが続き健康保険証でトラブルを解消しています。マイナ保険証の利用率も15%強と伸び悩んでいます。多くの患者・国民がマイナ保険証は不便でメリットがないと判断していることは明らかです。こうした医療現場や患者の現状を直視せず、立ち止まることはなく12月2日に現行の健康保険証を新規発行停止することは歴史に残る暴挙であり愚策です。
所信表明演説(保険証部分抜粋)
「来月二日には健康保険証の新規発行が終了します。マイナ保険証の利用を促進しつつ、お持ちでない方には資格確認書を速やかにお届けすることで、これまでどおり診療が受けられるようにしています。国民の皆様の不安には迅速に応え、丁寧に対応するというのが私の考えです。」
マイナ保険証利用促進に353億円投入
同日閣議決定された令和6年度補正予算案では、厚労省・医療介護DX関連1447億円のうち、353億円が「マイナ保険証の利用促進」です。マイナ保険証メリット等の周知のためのリーフ、コールセンターの費用として47億円を計上しています。石破首相は、「丁寧に」「迅速に」「不安払拭」と言葉を並べるもののマイナ保険証をさらに推進するための広報費用などを多額の税金を投入する考えです。
政府が国民の誤解や不安を招いたことを反省すべき
12月2」日を前に駆け込みでマイナカード作成を希望する方が増加しているとの報道もあり、自治体担当者から保険証が使えなくなるとの誤解が多いとコメントも紹介されています。これらの誤解は、自然発生的に生み出されたものではなく、政府の強引なマイナ保険証利用促進キャンペーンを繰り広げた結果、12月から保険証が使えなくなるとの誤解が広がりました。
政府は、10月末からマイナ保険証がなくても医療が受けられるとの広報をようやく開始しましたが遅すぎます。健康保険証が最大1年間使えることや、その後もマイナ保険証を持っていない方には資格確認書が申請なしで交付されることを十分に伝えず、マイナ保険証への切り替えのみを案内したことが大きな誤解や不安を招く原因です。これまでの広報を反省し、医療機関・薬局の現場でマイナ保険証を作らなくてよいことを説明させることが求められており、石破政権の本気度が問われています。