日本維新の会は12月17日の自民党との政策協議でOTC類似薬の全額自費(薬剤費の1/1に保険外併用療養を適用)を求めました。しかし、追加負担(特別料金)を徴収する薬剤の範囲や保険外とする割合などで自民党と折り合えず、実務者レベルでの合意が困難となりました。与党両党の政調レベルでの協議が今後予定されています。
維新が全額自費を求めている薬剤数量
日本維新の会が自公維3党協議(4月17日)で求めた28有効成分の薬剤を保険除外することを求めていました。同党の猪瀬直樹議員が提案してきた28有効成分(薬剤費:1543億円、厚労省保険局医療課が作成)の医薬品名・薬剤数量などのリストを入手しました。※日本共産党の田村貴昭議員事務所に厚生労働省が開示した資料をいただきました。
厚労省がNBDデータから抽出した年間実績の薬剤数量となりますが、痛みを取り除く消炎鎮痛剤のロキソニン錠60gは年間3億7012万錠、痰切り(去痰薬)のカルボシステイン錠500mgは7億365万錠でした。
アレルギー疾患や喘息などで用いる抗アレルギー薬のアレグラ錠60mg/フェキソフェナジン60gは9億208万錠、抗ヒスタミン薬のベポタスチンベシル酸塩錠10mg「タナベ」で年間2億6566万7350錠なども億単位で使用されています。
アトピー性皮膚炎の患者が痒みなどの症状を抑えるために日常的な使用が必要な保湿剤のヒルドイドソフト軟膏0.3%/ヒルドイドローション0.3%は、21億1968万g、ステロイド剤のリンデロン-V軟膏0.12%は5222万gでした。
今後の与党協議で維新の会が求める全額自費が合意されると多くの国民が日常的に利用する薬の負担が重くなる可能性があります。
<薬剤種類ごとの薬剤数量>
有効成分:ロキソプロフェンナトリウム
医薬品名:ロキソニン錠60mg
薬効:消炎鎮痛
処方数量:3億7012万1984錠
有効成分:酸化マグネシウム
医薬品名:マグミット錠330mg
薬効:塩類下剤(便秘)、酸中和薬(制酸薬)
処方数量:13億8533万1402錠
有効成分:フェキソフェナジン塩酸塩
医薬品名:アレグラ錠60mg/フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg
薬効分類:抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)
処方数量:9億208万錠
有効成分:L-カルボシステイン
医薬品名:カルボシステイン錠500mg
薬効分類:去痰薬
処方数量:7億365万錠
有効成分:ヘパリン類似物質
医薬品名:ヒルドイドソフト軟膏0.3%/ヒルドイドローション0.3%
薬効分類:保湿剤
処方数量:21億1968万g
有効成分:ベタメタゾン吉草酸エステル
医薬品名:リンデロン-V軟膏0.12%
薬効分類:副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)
処方数量:5222万7064g
有効成分:ベポタスチンベシル酸塩
医薬品名:ベポタスチンベシル酸塩錠10mg「タナベ」/タリオン錠10mg
薬効分類:抗ヒスタミン薬
処方数量:2億6566万7350錠/7320万7019錠





