【3月12日記者会見】国民の2人に1人に影響⁉ 高額療養費、OTC類似薬の負担増 月183円の保険料軽減と引き換えに命・健康・薬を奪わないで

2026年3月11日

3月12日(木)記者会見

国民の2人に1人に影響⁉ 高額療養費、OTC類似薬の負担増

月183円の保険料軽減と引き換えに命・健康・薬を奪わないで

 

国民の2人に一人が罹患する花粉症患者は、花粉が飛散する1月頃から5月頃にかけて毎日アレジオン錠、アレグラなど飲み続けないと症状を抑えることができません。国立がん研究センターによると国民の2人に1人が生涯でがんに罹患するといわれている。高額療養費の見直しで、今年8月から自己負担限度額が引き上げとなり、年1回から年3回のがん患者を含む制度利用者660万人の限度額が最大38%引き上げられます。

高額療養費の見直しについて高市首相は、「セーフティーネット機能の強化と持続可能性の維持を両立させる」との答弁を繰り返し、患者・国民への負担増による影響など一切言及していない。わずかな審議で明らかになったことは現役世代の保険料軽減はほんのわずかです。上野厚労大臣は3月3日の衆院予算委員会で、OTC類似薬を含む薬剤自己負担と高額療養費制度の見直しにより加入者1人当たり年間約1400円(月約116円)、OTC類似薬の追加負担で年間約400円(月約33円)と答弁しました。

ペットボトル1本分ほどの保険料軽減と引き換えに患者の命・健康が犠牲になることを国民は知らされていません。保団連は、3月12日に記者会見し、患者・国民の命・健康に大きな影響をもたらす負担増の撤回と26年予算案の修正を求めました。

竹田智雄

保団連の竹田智雄会長は、わずかな審議時間で、患者の命綱である制度改悪を採決しようとする政府の姿勢を批判しました。厚労省はセーフティーネット機能の強化を謳うが、実際は給付削減(約2990億円)が給付増(約540億円)の5.5倍上回ることから「セーフティーネットの弱体化そのものと批判しました。また、厚労省の試算は「病気になっても収入が維持される」前提だが、保団連が実施した患者調査でも患者の約半数が減収となり、3割近い減収に直面しています。この「無収入・減収シナリオ」を無視した議論は極めて危うく受診抑制は不可避であると強調。「月116円程度の保険料軽減のために、患者に月3万円(38%増)もの負担増を強いる不条理」を訴え、引き上げ撤回を求めました。

水戸部ゆうこ

肺がん患者の水戸部ゆうこ氏は、治療継続の危機と、親としての苦悩を訴えました。8年にわたる抗がん剤治療中で、制度がなければ生存不可能。耐性ができるたびに薬を変える必要があり、負担増は死活問題と訴えました。自身もがん発覚で離職し、収入は3割減どころかゼロになった経験を持つ。厚労省の「配慮」はこうした長期療養者の実態に届いていません。高校生・中学生の子を持つ親として、「子供の進学(教育費)」と「自分の治療費」を天秤にかけざるを得ない状況に追い込まれています。病気が人生の終わりになるような社会にしないでほしいと当事者の思いを訴えました。

大藤朋子

魚鱗癬患者の家族の大藤 朋子氏は、OTC類似薬への負担増に対する現役世代の怒りを紹介しました。緊急アンケートでも20〜30代の97%が薬の追加負担に反対しています。大藤氏は、「花粉症で声が出なければ保育士の仕事ができない」「持病で一生服薬が必要な中、これ以上の負担は酷」など、切実な労働現場・生活現場の声を紹介しました。数百円の保険料削減と引き換えに、助ける手を引っ込めるのは「国民を直接殺さなくても命を削る行為」と批判しました。

池田亮子

花粉症患者で新婦人の池田亮子氏は花粉症という国民病を「自己責任」にすることへの危機感を訴えました。家族全員が花粉症の場合、制度変更で1シーズン数万円の負担増になる。厚労大臣が言う保険料軽減(月33円)は一瞬で吹き飛びます。負担増により受診を控え、市販薬で済ませようとした結果、副鼻腔炎などの重症化を招くリスクがあります。花粉症は贅沢病ではなく、学びや仕事に直結します。これをセルフメディケーションという言葉で自己責任化するのは、公的医療制度の役割放棄であると批判しました。