厚労相「法制上、薬剤の全額自費は可能」

2026年4月28日

保団連は4月28日の記者会見で一部保険外療養の範囲について質問しました。

「一部保険外療養の対象範囲について、24日の衆議院厚労委員会で上野大臣が「法制上は薬剤費全額を別途負担とすることは可能」と答弁したことについて、「今後、法制上、薬剤費を全額自費にすることは可能ということか」「 法制上は薬剤対象薬剤を何品目まで拡大可能か」と質問しました。

保団連から「一部保険外療養について、「法制上は全額自費にすることが可能といえば可能」というご答弁のとおりでよいか」との質問に対し、上野厚労大臣は、「法制上は、条文に、何割、何分の一をいただくとか書いてないので、その点はご指摘の通りだ」と答弁。その上で「患者の皆さんの状況や負担能力に配慮する必要があるので、現時点で別途の負担を薬剤の全額とすることは全く考えていない」と説明した。

対象薬剤の拡大について、「与党の政調会長間合意や大臣折衝事項において、 OTC 薬品の対応する症状の適用がある処方箋薬品以外の同様薬品の相当部分まで対象範囲を拡大するということを目指す」という方針も踏まえて、施行状況等について厚生労働省において把握、分析を行った上で、令和9年度以降にその対象範囲について検討する」と答弁しました。これは、OTC類似薬の定義を拡大解釈することで最大7000品目・2兆円を負担増を強いることを政府・与党として目標に据えており、厚労省もその方針に沿って検討していく考えを示したものです。

薬剤費の全額自費は「現時点で全く考えていない」と強調しましたが、同時に令和9年以降の薬剤の対象範囲拡大する工程を示しており、負担割合の拡大も令和9年以降は遡上に上がることが容易に想像できます。

また、法制上は薬剤費の全額自費とすることや対象薬剤を拡大することに、何の制約がないことが明白になりました。「一部保険外療養」と銘打ちながら、全額自費を可能とする健保法改悪は廃案しかありません。

 

4月28日厚労大臣会見 質疑録

 

保団連

高額療養費専門委員会では、患者の支払い余力を検討する際に、患者の家庭収入から税、保険料、食費、光熱費、住居費を控除しましたが、なぜ教育費を考慮していないのでしょうか。患者の収入減少も支払い余力を検討する際に前提としなかったのはなぜでしょうか。 今年8月施行となる改正健保法の付帯決議では、「教育費や収入変動等に留意する」と決議されました。 決議を踏まえて、今年月からの引き上げも再検討すべきではないでしょうか。 一部保険外療養の対象範囲について、二十四日の審議で大臣は、法制上は薬剤費全額を別途負担とすることは可能と答弁されましたが、今後、法制上ですね、薬剤費を全額自費にすることは可能という理解で良いのでしょうか。 法制上は薬剤対象薬剤を何品目まで拡大することができるのでしょうか。

 

上野厚労大臣

患者一人一人が置かれた状況は様々でありまして、病状、家族構成、就労の有無、貯金の状況など、例えば一万人の患者さんがおられれば一万通りの状況があり、その状況はすべて異なっています。そのような点を念頭に置きながら、専門委員会において関係者からヒアリングを行ってまいりました。その際には、家計への影響を検討するため、延べ20を超える様々な事例や家計調査を用いた資料も提出し、ご議論いただくなど、様々な角度から丁寧に議論を重ね、見直しの考え方について整理の上、合意いただいたものと承知をしております。その際、専門委員会の方からですね、委員からは扶養家族がいるにもかかわらず負担限度額が同じであることは負担感が大きい、あるいは就労面では収入の減少や非正規雇用の転換というケースも少なくないなど、様々なケースを念頭に置いたご意見をいただいてまいりました。 このようなプロセスを経て決定をしたのが今回の見直し案であります。

このように患者の多様性に留意した議論を重ねた上での今回の見直しですが、将来の見直しに際しても、高額療養費の支給を受ける者の多様性に留意することという付帯決議を尊重する必要があると考えておりまして、仮に将来見直しを行う場合には、この点は当然留意していきたいと考えています。

一部保険外療養について、法制上は、先般の国会答弁のようなことかと存じますが、この別途の負担の設定に当たり、患者の皆さんの状況や負担能力に配慮する必要があるので、別途の負担を薬剤の全額とすることは考えておりません。今後、対象薬剤の拡大について、与党の政調会長間合意や大臣折衝事項において、 OTC 薬品の対応する症状の適用がある処方箋薬品以外の同様薬品の相当部分まで対象範囲を拡大するということを目指すとおっしゃいていますので、そうしたことも踏まえて、施行状況等について厚生労働省において把握、分析を行った上で、令和9年度以降にその対象範囲について検討することとしています。

 

保団連

子育て世帯、現役世代の2人以上世帯の家計調査をモデルケースとして出されていて、子どもを持つがん患者が一番苦しいということで、ずっと訴えていらっしゃる。今後の検討ということだが、「今後の検討は付帯決議で留意する」という回答があったが、令和9年度8月の引き上げは「今後」なので、令和9年度の引き上げについて今後の見通し、再検討する考えがないか。ぜひ付帯決議を留意してご検討いただきたい。

一部保険外療養について、「法制上は全額自費にすることが可能といえば可能」というご答弁のとおりということでよいか。今はやらないけど、今後は可能性としてはあるという理解でよいか。

 

上野厚労大臣

今回の高額療養費の見直しは令和8年度と令和9年度をパッケージとしてお示ししている。予算委員会あるいは法案の審議でもご議論いただいている。

将来の見直しに関しては、付帯決議に沿って検討する必要があろうかと考えている。それは、今回のパッケージとしての見直しのことではなくて、その後に行われるかもしれない見直しについてのことだと理解いただきたい。

 

保団連

大臣が24日に答弁されたことを改めてご紹介いただいた方がいいのかなと思う。

 

上野厚労大臣

法制上は、条文を見ていただければわかると思いますが、何割、何分の一をいただくとかそういうことは書いておりませんので、その点はご指摘の通りかというふうに思います。やはりこれは患者の皆さんの状況や負担能力に配慮する必要があるので、現時点で別途の負担を薬剤の全額とすることは全く考えておりません。