
保団連は、6月16日の厚労大臣会見で一部保険外療養の法的解釈や配慮対象について質問しました。
将来の解釈修正も想定しない
5月28日の保険局長の答弁で一部保険外療養の法解釈が薬剤に限定されました。これまでの法解釈を修正したことについて、保団連は「政府解釈は将来的に修正されることはないか」「 薬剤限定が分かるよう法律修正もすべき」「 一部保険外療養の対象が薬剤に限定され、薬剤費の一部が保険除外されるのであれば、法制上、薬剤費の全額自費はなくなったのか」と質問しました。
上野大臣は、「公党間の合意、医療保険部会での議論の経緯、その状況も踏まえた立法事実、またその他の療養の前に、代替性が特に高い薬剤を用いた療養と規定されていること、また附則の検討規定、そうしたものを踏まえ、今回解釈を明確化した。法文を修正しなくとも、別途の負担を求める対象は薬剤のみと解釈されることが明らか。将来の解釈の修正も想定していない」と答弁しました。
「法制上、薬剤全額自費は可能」との解釈は修正せず
上野厚労大臣は、「一部保険外療養は、 処方調剤を受けて薬剤を受け取るという一連の療養のうち、その一部を保険給付の対象とせず、別途の負担を徴収するものだ。別途負担となる対象は薬剤のみと解釈されるが薬剤費は一連の療養のうちの一部であることから、法制上はその全額を別途の負担として設定することは可能だが、この薬剤に関する別途の負担の設定にあたっては、患者の状況や負担能力に配慮する必要があるため、現時点で別途の負担を薬剤の全額とすることは考えていない」と答弁しました。
新型コロナ、インフルエンザは配慮されない
特別料金を徴収しない配慮対象について、保団連は「インフルエンザや新型コロナなど感染症でOTC類似薬が処方された場合は、特別料金は徴収されるかどうか」質問しました。
上野厚労大臣は、「インフルエンエンザ、新型コロナなどの感染症の場合や、定期接種対象の高齢者であっても、対象となる薬剤を使用する場合に、一般的には原則としてその条件に当てはまる場合には別途の負担をいただく」と答弁しました。がん患者や難病の患者など他の配慮措置に該当する場合、特別料金は取らない考えも示しました。
上野大臣会見概要 |令和8年6月16日|大臣記者会見|厚生労働省
保団連
一部保険外療養の法解釈変更についてお伺いします。 5月28日、間保険局長が一部保険外療養の規定について、「法第 63条第 1項第 2号に規定する薬剤のみを対象としたものと解釈する」と答弁し、療養の給付全部に適用可能とする従前の法解釈を修正しましたが、政府解釈は将来的に修正されることはないのでしょうか。 薬剤に限定していることが分かるように、法律の修正はなかったのではないでしょうか。 一部保険外療養の対象が薬剤に限定され、薬剤費の一部が保険除外されるとすれば、法制上、薬剤費の全額自費はなくなったという理解でよろしいでしょうか。 また、特別料金の徴収しない配慮対象についてお伺いします。 インフルエンザや新型コロナなど感染症で OTC 類似薬が処方された場合は、特別料金は徴収されますか。 定期接種の対象でもある高齢者もこの際に、特別料金を徴収されるのでしょうか。
上野厚労大臣
まず 1点目ですが、一部保険外療養の規定ぶりですけれども、これは公党間の合意や、あるいは医療保険部会における議論の経緯、その状況も踏まえた立法事実、またその他の療養の前に、代替性が特に高い薬剤を用いた療養と規定されていること、また附則の検討規定、そうしたものを踏まえれば、今回解釈を明確化したわけでありますが、法文を修正しなくとも、別途の負担を求める対象は薬剤のみと解釈されることが明らかだと考えております。 また、将来の解釈の修正も想定をしておりません。 また、一部保険外療養は、 処方調剤を受けて薬剤を受け取るという一連の療養のうち、その一部を保険給付の対象としない。 そして、別途の負担をいただくものであります。 この場合の別途の負担の対象は薬剤のみと解釈されます。 薬剤費は一連の療養のうちの一部であることから、法制上はその全額を別途の負担として設定することも可能ではありますが、この薬剤に関する別途の負担の設定にあたっては、患者の状況や負担能力に配慮する必要がありますので、現時点で別途の負担を薬剤の全額とすることは考えていません。
最後、インフルエンザ等の場合の負担ですが、この制度については必要な受診を行った上で、結果的に対象となる OTC 類似薬が処方される場合に別途の負担を求めるものであります。 インフルエンエンザ、新型コロナなどの感染症の場合や、定期接種対象の高齢者であったとしても、対象となる薬剤を使用する場合に、例えば他の配慮、がん患者さんだったりとか、難病の方であったりとか、そういった場合に該当する場合は別ですけれども、一般的には原則としてその条件に当てはまる場合には別途の負担をいただくということは当然あり得ることだというふうに考えております。 なお、インフルエンザや新型コロナの治療に用いられる抗ウイルス薬についてはそもそも対象になっておりませんので、それについては当然別途の負担とは求められないということになろうかと思います。 いずれにいたしましても、配慮の具体的な範囲については、今後、有識者の検討会で技術的な観点から議論いただいた上で、医療保険部会や中医協でも議論いただくと考えておりますので、引き続き丁寧に検討していきます。


