高額療養費の自己負担限度額の算定基礎となる標準報酬月額の特例措置が令和9年1月から実施されます。
療養等で勤務時間の短縮等を行い、報酬が大幅に減少した方(標準報酬月額が2等級以上低下)は、これまで3カ月ごとの随時改定を待つ必要がありましたが、今般の特例で速やかに標準報酬月額の改定が可能となり、高額療養費の所得区分の変更も適用されます。保団連は、がんなど病気で休業・時短などの就労制限を余儀なくされた場合で所得区分が変更されていない患者が7割いるとの実態調査を示して国に改善を要望してきました。
厚労省が7月31日に健保組合等に事務通知を発出しました。 事務通知全文はこちらから
1 趣旨
療養等と仕事を両立するため就労調整を行う場合、こうした調整によって報酬が急減し、急減後の報酬の総額を基にした標準報酬月額が、従前の標準報酬月額に比べて2等級以上低下する場合であっても、通常の随時改定の取扱いによる場合、標準報酬月額が改定されるまでには、固定的賃金の変動があった月から3か月を要するため、それまでの間、従前の標準報酬月額が維持されることになる。
そのため、今般、療養等と仕事の両立を支援する観点から、就労調整の結果として標準報酬月額が2等級以上低下した場合には、通常の随時改定の取扱いによることなく、より速やかに、現状に適合した形で、標準報酬月額を改定できるようにすることとした。
(1)対象者
健康保険縮厚生年金保険被保険者及び厚生年金保険70歳以上被用者のうち、次のいずれにも該当する者であること。
① 療養等(※1)と仕事を両立するための就労調整が行われていること。
② 当該就労調整により報酬が急減し、急減後の報酬の総額を基にした標準報酬月額が、従前の標準報酬月額に比べて2等級以上低下し、かつその状態が3か月以上続くことが予め見込まれること。
③ 特例措置による改定を行うことについて、対象者が書面で同意していること。
(※1)療養、育児又は介護とは、それぞれ次の場合を指す。
・療養:被保険者本人が傷病の治療若しくはこれに準ずる措置(以下「治療等」という。)を受ける場合又は家族の傷病の治療等に伴い被保険者が看護等の必要な対応をする場合
・育児:被保険者の 学校就学の始期に達するまでの子を被保険者が養育する場合
・介護:介護保険法(平成9年法律第123号)に基づく要介護認定又は要支援認定を受けている家族を被保険者が介護する場合
(※2)通常の随時改定の取扱いと同様、2等級以上低下する者には、次の場合を含む。
・健康保険第 50 級又は厚生年金保険第 32 級の標準報酬月額にある者の報酬月額(健康保険にあっては報酬月額が141万5,000円以上、厚生年金保険にあっては報酬月額が66万5,000円以上である場合に限る。)が降給したことにより、その算定月額が健康保険第49級又は厚生年金保険第31級以下の標準報酬月額に該当することとなった場合。
・第2級の標準報酬月額にある者の報酬月額が降給することにより、その算定月額が健康保険にあっては5万3,000円未満、厚生年金保険にあっては8万3,000円未満となった場合。
(※3)報酬減となった初月の翌月に被保険者資格を喪失する者については、当該初月の翌月の保険料が賦課されないため、特例措置の対象にはならない。(なお、当該初月の翌月末に退職する者については、当該初月の翌々月1日に被保険者資格を喪失する。)
(※4)被保険者期間が報酬減となった初月を含めて3か月未満の者については、健康保険法第43条第1項及び厚生年金保険法第23条第1項の規定上、特例措置による届出の対象とはならないこととなる。



