【OTC類似薬保険除外】「患者の納得は得られない」不合理なルール 厚労省は医療現場に丸投げしないで

2026年9月8日

保団連は9月8日の大臣会見でOTC類似薬の一部保険外療養に伴う医療現場の負担解消について質問しました。保団連は、医師による確認業務など診療とは何の関係もない9つの追加業務が求められる。 外来患者が多い病院などでは、待ち時間の増加、診察時間の制限など、患者にも不利益が出かねないと指摘し抜本的な改善を求めました。その上で、医療現場から診療報酬の加算やシステム改修経費等への財政支援や電子カルテ未導入の医療機関数やそれらの医療機関への経過措置などを求める声が出ていることに触れて、厚労省の検討状況を聞きました。

電子カルテ未導入の医療機関には有効策なし

上野厚労相は、「現時点では、 OTC 類医薬品の一部保険外医療の施行に際して、財政支援などを講じることは検討していない。厚労省において本制度の対象医薬品かどうか、電子カルテのシステムと判別可能となるようなシステム改修を行えるように、システムベンダー向けの分かりやすい基準設定や情報公開を行う。電子カルテ未導入の医療機関においても、円滑に運用がなされるように、簡易なチェックシートを作成し公表する予定」と厚労省として対応策を示しました。電子カルテ未導入の医療機関数は令和5年調査だと、一般病院では2427施設、一般診療所は4万7232施設と回答しました。

保団連は、「患者の納得が得られにくい不合理なルールが散見されている。内服薬の通年処方は95%が配慮に該当しないなど、医学的根拠も臨床実態とも乖離している。住民税非課税の低所得者1770万人について「既に配慮されているから配慮しない」と大臣が答弁したが、それを医師や医療従事者、薬局が表に立って患者さんに説明しないといけない。患者さんの納得が得られないしトラブルが発生する可能性が高い。抜本的な改善を図るべき」と指摘しました。

上野厚労相は、「 現場で混乱が生じないように、この制度の基準を明確にすることや、周知徹底を図ることが非常に大切だ。十分留意していく」と一般論を述べましたが、具体的な改善については言及しませんでした。

9月8日厚労大臣記者会見

 

保団連

OTC 類医薬品の一部保険外療養化による医療現場の負担についてお伺いする。医療保険部会で示された実務フローでは、医師による確認業務など九項目の診療とは何の関係もない追加業務が求められる。 医師によるアナログでの確認作業も含めた処方箋発行が必要なため、医師の過重負担や経費増が発生する。外来患者が多い病院などでは、待ち時間の増加、診察時間の制限など、患者にも不利益が出かねない。医療現場から診療報酬の加算やシステム改修費用への補助を求める意見が出されているが、現時点で保険医療機関や保険薬局等への財政支援等は検討しているのか。また、電子カルテ未導入の医療機関での対応はさらに困難を極める。 現時点での電子カルテ未導入の医療機関数と、それらの医療機関等へ経過措置を設ける予定があるかどうかについてお伺いする。

上野厚労相

電子カルテ未導入の医療機関は直近の令和5年の調査だと、一般病院では2427施設、一般診療所は4万7232施設だ。こうした施設も含めて現場の負担を可能な限り軽減できるように、制度の仕組みあるいは必要な情報公開に努めていくことが重要だ。 現時点では、OTC 類医薬品の一部保険外医療の施行に際して、財政支援などを講じることを検討していない。厚労省において本制度の対象医薬品かどうか、電子カルテのシステムと判別可能となるようなシステム改修が行えるように、システムベンダー向けの分かりやすい基準設定や情報公開を行っていく。また、電子カルテ未導入の医療機関でも、円滑に運用がなされるように、簡易なチェックシートを作成し、公表する予定だ。 このような取り組みを通じて、本制度の円滑な実施につながるように、適切に対応していく。

保団連

作業が複雑なだけではなくて、患者の納得が得られにくい不合理なルールが散見されている。 この間。質問しているが、内服薬の通年処方は95%が配慮に該当しないなど、医学的根拠も臨床実態とも乖離している。 さらに前回の会見で、住民税非課税の低所得者1770万人について、大臣は、「既に配慮されているから配慮しない」と答弁したが、それを医師や医療従事者、薬局が表に立って患者さんに説明しないといけない。患者さんの納得が得られるかどうかという点で言うと、基準が不合理で根拠もないので患者トラブルが発生する可能性が高い。そのことはかねてより指摘しているが、抜本的な改善を図っていく考えはないのか、それとも今のルールで突き進むのか。

上野厚労相

現場で混乱が生じないように、この制度の基準を明確にすることや、あるいは周知徹底を図るということは非常に大切なことだ。そうしたことについては十分留意をさせていただきたい。いずれにしても、今、医療保険部会で議論を継続しているので、その中でしっかりとした方向性を出していければと思っている。