【高額療養費負担増】27年8月引き上げによる保険料軽減は1人年400円に過ぎない

2026年9月15日

保団連は、9月15日、大臣会見で高額療養費の27年8月の引き上げについて再検討を求めました。上野厚労相は「26年8月と27年8月の2回の見直しはパッケージで実施するもの」として既に決まったものとの見解を示しました。

また、負担増による保険料軽減効果は1人年400円に過ぎないこと、国費はマイナス70億円に過ぎないことが分かりました。保険料軽減効果は限定的との指摘に対して「社会保障全体で不断の見直し、不断の改革が必要」と一般論の答弁に終始。当事者・患者が到底納得のいく説明とは言えません。

上野大臣は、引き上げによる受診抑制について、「いわゆる長瀬効果として230億円程度を見込んでいる」としましたが、実際に受診抑制が発生したかどうかに関する調査は「今後実施した後にしっかり検証していく」との答弁に留まりました。

 

9月15日厚労大臣記者会見

 

保団連

高額療養費の2027年8月の引き上げについてお伺いします。 最大38%の月額上限の引き上げとなる27年8月からの高額療養費の引き上げが既に確定しているとお聞きしましたが、いつどこで決めたのか教えてください。 また、27年予算案まだ存在しない段階で、先に法令で引き上げを決めたことは、患者、国民、国会軽視ではないでしょうか。  仮に27年8月からの引き上げを凍結した場合に必要となる 27年度予算の国費額及び加入者一人当たりの年間保険料増加額はどれぐらいになるのでしょうか。 また、引き上げを実施した場合の給付削減額と長瀬効果による削減額をどれくらい見込んでいるのでしょうか。 8月1日施行の改正健保法では、高額療養費の見直しに関して教育費や収入変動等に留意すると付帯決議されています。 大臣も付帯決議を尊重すると発言されておりますが、 27年8月からの高額療養費の引き上げは付帯決議を踏まえ、必要な調査を実施した上で再検討すべきではないでしょうか。

上野厚労相

令和9年8月に施行されます高額療養費制度の見直しは、既に施行されました令和8年8月の見直しと合わせてパッケージとして実施をするもの。患者団体の方を含む専門委員会においても、一体の見直しとしてご議論いただいたほか、先の国会においてもその旨を繰り返し申し上げた上で、予算が成立し、高額療養費制度の見直しを盛り込んだ健康保険法等の一部を改正する法律も賛成多数により成立をしたものと考えている。また、今般の見直しによる国費の影響などでありますが、詳細は厚労省のホームページに資料を掲載しておりますので、そちらをご確認いただければと思いますが、今後予算編成に向けてですね、詳細を見ていくことが必要だと思いますが、現在の見通しで申し上げますと、令和9年8月施行分の見直しの年間影響額は保険給付費ベースの国費への影響額はマイナス70億円、保険給付費ベースの保険料への影響額はマイナス460億円、加入者一人当たりの保険料への影響額はマイナス400円となる。詳細は事務方にお尋ねいただければと思います。また、改正法の審議の際に、厚生労働委員会で採択をされた付帯決議は令和9年8月の見直しまでを含む今回の見直しパッケージではなくて、将来の見直しにあたっての委員会のご意思として決議されたものと考えている。

保団連

来年8月引き上げは最大38%になるなど大きな引き上げだが、引き上げない場合は、年間400円の保険料が上がるという答弁でした。この間、32万筆もの多くの署名が寄せられ、治療費がこれ以上払えないという声を多数寄せられた。たった一人 400円の保険料を喜んで払いますという声も多く寄せられている。当初の目的が医療費抑制だったり、現役世代の保険料軽減と述べていたが、現役世代の負担がむしろ増すことになるという指摘が多く寄せられている。それについて納得いく説明をいただきたいですし、実態調査を含めて患者さんに向き合ってほしいという声が多数寄せられています。大臣の心ある答弁をお願いします。

上野厚労相

様々なご意見があるのは承知しておりますし、我々もそうした意見についてしっかり耳を傾ける姿勢は必要だと思っている。しかし、今回の見直しは、先般の国会でも再三議論いただき、私自身も何度も答弁してきた。一人当たりの保険料の影響額についてのお話がありましたが、あの、先ほども社会保障制度の改革のお答えをさせていただきましたけれども、これから持続可能なものとして、必要な方に必要なサービスをしっかり提供していくためには、社会保障制度全体で不断の見直し、不断の改革をすることが必要と考えている。そうした改革見直しの一環であるということをご理解をいただきたい。

保団連

長瀬効果について今日は答弁されなかった。来年の引き上げでの国費と保険料の削減額の中に、いわゆる実効給付率が増えたことによる、受診抑制というか、長瀬効果の数字は入っているのか。

上野厚労相

いわゆる長瀬効果と言われているものだが、これは実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果で230億円程度を想定している。ただ、これも国会で再三審議いただきましたが、あくまでこれまで経験的に得られていることを踏まえた試算ですので、実際にどのような数字になるかは、今後施行した後に、しっかりと検証していくことが必要だ。