鎮痛消炎剤(ロキソニン)を使う患者はなぜ配慮されなかったのか? 厚労大臣「総合的判断で追加負担の対象とした」

2026年9月25日

保団連は、9月25日の厚労大臣会見にて、鎮痛消炎剤の外用薬が長期利用の場合でも配慮対象外となった理由を迫りました。

建築労働者、介護保育職、トラック運転手など現業労働者は、関節や腰痛など慢性的な痛みを抱えており、負担増により治療と就業が両立できなくなります。」

検討会では、鎮痛消炎剤の外用薬について「使用継続の必要性が患者の主観に左右されやすい」とされました。保団連は、「痛みは主観的なものだから我慢しろ」と治療を否定しているのかとの質問しました。上野厚労相は「特例の治療等の医療上の必要性をそのものを否定したものではない」と回答しました。その上で、ガイドライン等での有効性や必要性が明確に示されているものは一部に限られている」ことから「総合的判断として鎮痛消炎剤の外用薬は原則、追加負担することにした」と述べました。

痛みに耐えて働く労働者や日常生活を送る高齢者にとって痛みを取り除くことは日常生活・社会生活を維持するために必要不可欠です。治療の必要性を否定していないのであれば、配慮対象から除外する理由はありません。

鎮痛消炎剤の外用薬(いわゆる湿布)は日本維新の会が強く保険除外を迫っていた薬です。「総合的判断」という根拠が不明確で政治的な理由で保険除外する道理はありません。制度導入は撤回すべきです。

 

 

上野大臣会見概要 |令和8年9月25日|大臣記者会見|厚生労働省

保団連

OTC 医薬品の保険除外についてお伺いします。 鎮痛消炎剤の外用薬は長期利用の場合でも配慮対象外となりました。 建築労働者、介護保育職、トラック運転手など現業労働者は、関節や腰痛など慢性的な痛みを抱えており、負担増により治療と就業が両立できなくなります。 働く患者への影響をあらかじめ調査した上で排除を検討されたのでしょうか。変形性関節症、慢性腰痛等に対する湿布薬または鎮痛消炎剤は、「使用継続の必要性が患者の主観に左右されやすい」と取りまとめられましたが、痛みは主観的なものだから我慢しろと治療そのものを否定されているのでしょうか。慢性疼痛診療ガイドラインを引用し、慢性腰痛に対して 「NSAIDs の効果はあるものの、大きくはない」「漫然とした長期投与は避けるべき」とされていますが、ガイドラインの指摘は腎機能障害など副作用のリスクを考慮すべきというものであり、「慢性疼痛に効果がない」ことを意味するものではございません。 慢性疾患は増悪や寛解などが繰り返される状態変化の反復性が高いことが特徴です。 画像で明確な異常が確認できないからといって「原因がない」と断定できないのではないでしょうか。 最後、対象医薬品の継続または反復的な使用が確認され配慮対象とされたアトピー性皮膚炎のステロイド剤や保湿剤の使用と鎮痛剤についてはどのような差があるのでしょうか。

 

上野厚労相

最初の二点でございますが、OTC類医薬品の保険給付の見直しの実施にあたり、医学・薬学の有識者あるいは患者団体への意見聴取、パブリックコメントの実施などにより幅広いご意見を伺いながら検討を進めてきた。その上で、本制度については必要な受診を行い、その結果、対象となるOTC類医薬品を使用する場合に、医療保険制度の持続可能性を確保する観点から別途の負担をお願いするものでございます。 これは特定の治療等の医療上の必要性そのものを否定するものではありません。

三点目と四点目ですが、長期使用によって別途の負担の対象外とする場合の基準設定については、OTC類医薬品の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会の中間取りまとめにおいて、診療ガイドライン等においてその有効性や必要性が示されていることなどを踏まえ、総合的に判断することが適当と整理をされた。こうしたことを踏まえ、鎮痛消炎剤の外用薬については、通年での継続使用の有効性や必要性、これが明確に示されているものは一部に限られているので、原則として別途の負担の対象としている。なお、アトピー性皮膚炎の保湿剤の長期使用やステロイド外用薬によるプロアクティブ療法については、診療ガイドライン等においても継続的計画的な使用の有効性や必要性が示されているので、別途の負担の対象外と整理した。

 

保団連

痛みが主観的なものだという表現とか、配慮されないことが「治療の必要がない」と患者さんたちが受け取っている部分がある。ですから、その治療の効果が、なかなか治りにくい疾患については、ガイドライン上では効果が明確に出ていない部分があると思うが、そのことをもって今回の追加負担されたことによる受け止め、患者国民の受け止めがかなり否定的な受け止めになっているので、治療の必要性そのものを否定するものではないということを、明確にしていただきたい。 その上で、その制度の話を今回総合的に判断されたということだと思うので、再度それを確認したい。

上野厚労相

はい、まさにおっしゃるとおり、治療等医療上の必要性それを否定するものではないというのは、まさに様々な治療の中でそういったケースも多々あろうかというふうに思っています。ただ、それと今回の制度として、こういった基準を持って指定させていただいたこととはまた別の観点になりますので、そのことは患者さん、あるいは医療者に対してもわかりやすく周知し、お示ししていくことが大切だと考えています。