上野厚労相「歯科診療継続も非常に大事」「診療報酬上の手当はしっかり対応したい」

2026年9月29日

保団連は、9月29日の厚労大臣会見で歯科医療機関の電子化カルテ補助金と診療報酬引き上げについて質問しました。

電子カルテ普及率は約12%に過ぎず、約8割が電子カルテを導入していません。ところが厚労省は、27年予算の概算要求で歯科の電子カルテ導入の補助金として54億円を予算要求していることが分かりました。

保団連は、歯科診療報酬本体がわずか+0.31%にとどまったことで歯科医療経営が困難な状況が続いている。電子カルテの補助金より歯科診療報酬本体の引き上げるべきではないかと質問しました。

上野厚労相は、「電子カルテを含むDX化はこれからの課題として非常に大事な部分でありしっかり推進していくことは重要」と答弁する一方で、「同時に、やはり歯科診療が継続することも非常に大事ですので、診療報酬上の様々な手当については実態調査等も含めてしっかり対応していく」と述べました。

上野大臣会見概要 |令和8年9月29日|大臣記者会見|厚生労働省

保団連

歯科の電子カルテの補助金と診療報酬改定について質問します。 歯科医療機関では電子カルテの要件を満たさないレセプトカルテが普及しております。 三要件を満たす電子カルテの普及率と普及件数は直近でどれぐらいでしょうか。 歯科診療所向けの電子カルテの普及方針では、令和9年度中に認証制度の開始を目指すとされています。 ベンダーの選抜などまだ不確定な要素が多いのですが、本当に来年度ですね。  27年度中に歯科医療機関が導入できるのでしょうか。27年度の予算では、歯科の電子カルテ導入補助金の要求額、想定した導入件数などについて教えてください。 導入が不確定な中、予算要求していると理解してよろしいでしょうか。 2026年の診療報酬改定で歯科の診療報酬本体として0.31%引き上げられましたが、国費の額はいくらでしょうか。 経営困難が続く歯科医療機関では、電子カルテの普及より診療報酬本体の引き上げこそ予算を投入してほしい。 そうでないと歯科診療継続が困難との声が出されていますが、大臣のお考えをお伺いします。

上野厚労相

歯科医療機関で導入しているシステムにつきまして、今年の夏にアンケート調査を実施しています。 その結果によると、いわゆる3条件を満たす電子カルテを導入していると回答いただいた施設が約12%です。また、3条件を満たしていないカルテ作成支援機能を有するレセプトコンピューター、いわゆるレセコンカルテを導入していると回答をいただいた施設が約80%となっております。 ただ、このアンケート調査は一部の歯科医療機関に対する抽出調査でありますので、正確な普及率、普及件数自体は把握していませんが、傾向としてはそのようなことだと認識しています。歯科電子カルテについては、今年度中にクラウドネイティブ型であることを含む標準仕様、これを策定したいと考えています。 その上で、来年度には標準仕様に準拠した製品の認証制度を創設する方針です。 医科の電子カルテは、既に標準仕様を公表して、今年度中にそれに準拠した製品の認証を行う予定ですので、歯科も同様に電子カルテベンダーを含む関係者の皆さんのご意見を伺いながら、来年度中には医科と同様の対応が取られるように検討を進めていきます。ご指摘の補助事業における補助単価や想定される導入件数は概算要求では一定の仮定をおいて算出していますが、これは今後、具体的な補助事業の内容については、政府間の予算編成過程で議論され、調整されていくものなので、現時点で現場に予断を与える可能性があるので詳細な回答は控えたいと思います。 いずれにしても、今後の予算折衝の中で、そうした点についても十分に議論していければと考えています。さらに、令和8年度の診療報酬改定における国費の額について、令和8年の診療報酬改定については、医療機関を取り巻く厳しい経営環境を踏まえ、物価や賃金の上昇等への対応を重点課題として、本体改定率プラス3.09%を実現し、加えて歯科固有の政策改定にかかる改定率をプラス0.31%としたところですが、科目ごとの国費の内訳は算出していません。診療報酬での対応が必要ではないかというのは我々も問題意識としては共有していますが、令和8年度の診療報酬改定で、例えば歯科分野における医療 DX の推進に向けた電子的歯科診療情報連携体制整備加算の新設をはじめ、歯科、歯科治療のデジタル化の推進など、様々な政策課題にも対応してきたところです。今後も様々な調査を行っていくので、そうした調査結果を通じて、改定の検証を実施しながら、今後必要な対応を検討していきます。

保団連

歯科の電子カルテの補助金の概算要求額の金額はお伺いしていいでしょうか。

上野厚労相

金額は54億円です。

保団連

54億円ということですが、歯科医療機関にとって歯科の治療を国民に提供する上で必要なのかという疑問の声が出されています。12%しか電子カルテを導入していないのが現状です。自ら投資して電子カルテを導入しているところが歯科では12%しかなくて、それが必要なのだろうかという議論があります。むしろ歯科医院継続のために、国民のための歯科治療を継続するために電子カルテもいいがそれ以上に、歯科を治療する方が大事ではないかっていう意見があります。ぜひそちらの方も予算獲得に向けて大臣の決意をいただきたい。

上野厚労相

電子カルテを含む DX 化は、これからの課題として非常に大事な部分だと思いますので、それはそれでしっかりと推進していくことは重要だと思います。それと同時に、やはり歯科診療が継続するということも非常に大事ですので、診療報酬上の様々な手当等については、実態調査等も含めまして、そうしたものを踏まえてしっかり対応はしていければと考えています。