⽇本に対する⼗分性認定(実施決定(EU)2019/419)の検証を求める意⾒書
個人情報保護法の改正法(以下「改正法」という。)が、2026年7月10日、国会で成立しました。政府は、改正法について、AI開発を含む統計作成等に必要なデータの利活用を進めるためのものだと説明しています。
EUでは、AI開発を含む統計作成等への個人データの利用を一定の場合に認める一方で、利用の適法根拠、データ最小化、本人への透明性、異議申立ての機会、技術的な保護措置、監督機関による適切な執行などを組み合わせ、個人の権利利益を守る仕組みを整えています。
これに対し、改正法は、これまで重要な保護措置として機能してきた本人同意の原則を緩和し、AI開発を含む統計作成等のためであれば、本人の同意がなくても医療情報などの要配慮個人情報を含めた個人情報を取得し、利用し、第三者に提供できる範囲を広げるものとなっています。また、改正法において保護と利用の均衡が大きく利用側に傾いた背景には、個人情報を保護する機関、すなわち個人情報保護委員会(PPC)が、個人情報保護とともにデータの利活用に関する制度の立案をも担っているという構造があると考えています。
PPCは、日本が十分性認定を取得する際、個人情報保護の観点からEUとの調整を重ねてきた機関ですが、EUとの円滑なデータ移転の基盤を揺るがしかねないリスクが含まれています。
また、G7で唯一日本のみが導入したマイナ保険証については、医療関係者や地方自治体から問題点が指摘されています。実際にも、医療や福祉の現場で多くの混乱や不利益を生じてきたことが既に明らかになっています。個人情報の保護を設計段階で適切に組み込まなければ、脆弱な立場にある人から取り残されることになります。
そこで私たちは、改正法後の日本の個人情報保護制度が、EUによる十分性認定の前提となった保護水準をなお維持しているといえるのか、また、十分性認定の大前提であるPPCの役割が果たせているのかについて、欧州委員会が正式な検証を行い、必要がある場合には日本政府及びPPCに是正を求めるよう要請する意見書を提出します。
記
開催日時:2026 年10 月6 日(火)13 時30 分~14 時30 分
会場:厚生労働省 記者会見室(9F)
参加者(発言者):
・地⽅⾃治と地域医療を守る会共同代表 ⼭岸良太 ⼩島延夫
・全国保険医団体連合会政策部長 中村洋一
・個⼈情報保護機関のあり⽅研究会有志 研究主査 實原隆志


