与党政治家の「国保逃れ」 上野厚労相「調査は考えていない」

2026年11月6日

上野大臣会見概要 |令和8年11月6日|大臣記者会見|厚生労働省
保団連:
国保逃れがその後どうなったのかについて何点かお伺いします。与党の政治家による国保逃れに端を発し、この間、厚生労働省において、社会保険料削減ビジネスを実施している事業所等に調査が実施されました。調査の結果、社会保険料削減ビジネスを実施していた事業所数・被保険者数はどれくらい判明しましたか。調査結果をもって、全貌が明らかになり、国保逃れは完全に是正されたと考えていますか。日本維新の会の地方議員が加入していた一般社団法人栄響連盟は調査対象に含まれていますか。被保険者資格の是正対象となった事業所・被保険者において、最大で何年分の保険料を遡及して支払う必要がありますか。資格が喪失した期間に医療給付があった場合は返還が求められますか。それとも、保険者間で給付調整されますか。勤務時間が極端に短い労働者や役員報酬が経常的な労務と認められない取扱い等が新たに通知されましたが、本指針に基づき調査中の事業所・被保険者を教えてください。国保逃れを防止するために、今後、厚生労働省としてどのような注意喚起などの具体策を実施していく予定でしょうか。
上野厚労相
いわゆる社会保険料削減ビジネスを行っていると疑われる事業所に対して、本年8月末時点で、45社に事業所調査を行いました。そのうち38社から、対象者全員の被保険者資格喪失届を提出させ、11,610人が社会保険の適用要件を満たさないとして、被保険者資格を喪失しています。現在も事業所調査・指導を進めており、本事案の是正に向けた途上にあるということです。今般明確化した取扱いに基づいて、既に把握している事案については、速やかに事業所調査の上必要な指導を行っていきます。また、今後新たに同様の不適正な事案を把握した場合においても、厳正に対応していくことになります。なお、個別の事業所の調査状況等については、お答えを差し控えたいと思います。次に、個人事業主等が被用者保険の被保険者資格を遡って喪失した期間は、国民健康保険と国民年金に加入することになりますが、この場合、国民健康保険料及び国民年金保険料の場合は最大2年、保険料等を納めていただくことになっています。また、国民健康保険税の場合は最大3年まで遡って保険料等を納めていただくことになると承知しています。資格喪失後に医療給付を受けた場合、遡及して資格喪失した場合であっても、資格喪失後受診に係る保険給付について返還が必要です。なお、被保険者から過去に加入していた保険者等へ委任がなされた上で、保険者間で調整を行う仕組みもありますが、それを実施するかどうかは保険者の判断によることになります。また、9月に新たに通知を発出しました。この通知に基づき調査中の事業所数等については、日本年金機構がまさに調査中ですので、現時点でその数を申し上げることはできませんが、今後も引き続き必要な対応を行っていきたいと考えています。また、これまでにも、厚生労働省や日本年金機構のホームページへの通知の掲載や、社会保険労務士会連合会やフリーランス関係団体を通じた通知内容の周知などの取組を行っています。今後も様々な機会を捉えて、事業者や個人事業主等に取扱いがしっかり認識されるように、丁寧に周知していきたいと考えています。
保団連:
大臣から今、国保は最大2年しか遡れない、国民年金も2年ということで、与党の政治家が何年不正を働いていたか分かりませんが、10年不正を働いても、2年しか本来払うべき保険料を納めなくてよいということを現行法は示していると思うので、極めて不十分だと感じますが、やはりここは与党の政治家の不祥事といってもよいものですので、国会議員、地方議員などいろいろありますが、まずは政治家への調査を実施する考えはないかどうか、大臣自身が国保か社保か分かりませんが、そういった範を示すということが、現役世代の保険料軽減とおっしゃっているのであれば、政治家がまずは範を示すべきと思いますが、ご見解をお願いします。
上野厚労相:
私どもとしては、今回、その取扱いを明確化させていただき、適切に対応していただいていないと思われる事業所に対して調査を行っているところです。その中で、個々の方がどういう属性にあるかということは様々だろうと思っているので、そうしたことを私どもとして調査するということは考えていません。
保団連:
確認ですが、10年不正を働いても、2年しか遡って払わなくてよいという理解でよろしいですか。単純な理解として。本来国保に入っておかないといけない人が、10年間社保、協会けんぽに入っていたという場合に、それが今回の資格喪失等で改められた場合でも、最大2年分しか返さなくてよいという理解でよろしいですか。
上野厚労相:
これは一般的な制度として、保険料や税の納付に係る遡及が何年できるかという制度です。
保団連:
それ以上は遡及できないという理解ですね。
上野厚労相:
そうです。その制度の安定性などを踏まえて、これまでもそうなっているということです。
保団連:
現行取扱いの範囲で対応されているということですね。理解しました。ありがとうございます。