保団連が実施した23年10月以降のマイナ保険証トラブル調査では最終集計(1/31)で、41保険医協会・保険医会から8672医療機関から回答が寄せられました。
マイナトラブル調査最終集計(1月31日)では、59.8%の医療機関が10月1日以降もトラブルが「あった」と答え、他人の情報に紐づけられていたケースは102医療機関。トラブル対応で403医療機関が「いったん10割負担を患者に請求した」と回答し、件数は少なくとも753件となります。トラブルを経験した5188件のうち、83%の4300件が「健康保険証で資格確認した」と回答しました。
2023年7月にマイナンバー紐づけミスの総点検は終了したと言われていましたがその後もマイナ保険証の「紐づけミス」が報告されています。紐づけミス以外のトラブル(「資格無効」「該当資格なし」「カードリーダーのエラー」「名前・住所間違い」「負担割合齟齬」、「一旦10割負担」、「返戻」)も数多く報告されており、解消の見通しも立たない状況にあります。
岸田首相や河野大臣は「不安を払拭するための措置を取ったので24年12月2日に健康保険証を廃止する」と述べましたが、トラブル続きの中、健康保険証を廃止すると医療現場は大混乱に陥ります。
災害時の脆弱性が露呈 オンライン資格確認、マイナ保険証が使えない
能登半島地震では被災地域で大規模な停電・通信エラーが発生しました。NTTの光ファイバー(有線)を利用したオンライン資格確認システムの利用が困難となりました。河野デジタル大臣は被災者にマイナ保険証を利用して薬剤情報の閲覧を呼び掛けましたが、停電と通信エラーが起こる中で利用したくても利用できません。厚労省は、津波や家屋倒壊で避難してきた被災者に対し「保険証や現金がなくても受診できます」と案内しています。
メリットなく利用率は7カ月連続低迷 -マイナ保険証利用促進に216億投入するな
毎日新聞の世論調査(12月16、17日)では57%が保険証廃止に「反対」しており、共同通信の調査(12月17、18日)では60代以上の78%が保険証廃止に反対しています。
23年12月のマイナ保険証の利用率はわずか4.29%と8カ月連続で低迷しています。厚労省が12月27日に示した資格確認総件数(23年6月時点約2.46億件)を分母とするとマイナ保険証利用率はわずか2.95%となります。