【低迷する電子処方箋】410億円投入も2月の医科診療所の運用開始率はわずか1.0%

2023年1月26日より全国で「電子処方箋」の運用が開始され1年以上が経過しました。

厚労省が公表した資料によると2月4日時点の電子処方箋の運用開始率は、医科診療所で1.0%、病院で0.4%にすぎないことがわかりました。

運用開始率とは施設数に占める電子処方箋の運用開始した施設の割合です。また、3月3日時点の電子処方箋の運用開始施設は、病院38施設、医科診療所1085施設でした。

厚労省は普及しない要因として「周囲の医療機関・薬局が導入していない」「複数のシステム改修が次々必要となり負担」「電子署名対応が手間」「導入しても問題なく使えるか不安」「患者からの要請・がなくニーズ感じない」と分析しています。医療機関・薬局、患者にもメリットがなく導入を躊躇しているのが現状です。

410億円の補助金投入でも運用開始は低迷

2023年補正予算で政府は、電子処方箋の機能拡充の促進で76億円、電子処方箋の活用・普及の促進で162億円を投入。2024年度予算でも電子処方箋を導入する医療機関・薬局などに172億円の予算を計上しました。

補助金だけで410億円の税金投入です。それだけではありません。6月の診療報酬改定で医療DX推進体制整備加算が新設されるなど診療報酬も投入します。国民の税金を投入してふり構わず普及を進めてますが、医療機関や病院での普及率は低迷し続けています。手間だらかでほとんどメリットが感じられない電子処方箋の普及策に多額の税金を投入する姿勢は、システム業者だけを儲けさせる意図があると考えざるを得ません。強引な普及は中止すべきです。

参考:【2024年診療報酬改定】強引なマイナ保険証推進 補助金だけでなく診療報酬も追加投入