2024年6月19日
厚生労働大臣
武見敬三 殿
6月18日参議院厚労委員会の武見大臣答弁を受けての追加質問
全国保険医団体連合会
6月18日参議院厚労委員会の審議を踏まえて追加質問します。ご回答お願いします。
Q1.マイナキャンペーンによるトラブルへの対処
武見大臣は「報道によると一部の薬局で「マイナ保険証のみ受け付け」と受け取られてしまった」「マイナ保険証のみとか健康保険証のみとか受付で無理強いしないで」との趣旨で答弁されました。
厚労省が提供しているトークスクリプトに沿って対応しただけで患者側が「マイナカード取得、マイナ保険証の利用」を強要されたと受け止めています。配布されたチラシを合わせた説明等により「12月で現行の健康保険証が使えなくなる」と誤認されています。
武見大臣は「引き続き丁寧に説明し、適切に運用してもらうよう働きかける」と答弁しましたが、誤認・誤解の元となったチラシの表現等の修正、トークスクリプトによる話法の修正など具体的な修正対応は行わないですか?
Q2.マイナ優先受付について
武見大臣は「公立病院でのマイナ保険証専用レーン設置や診察順番を先行させるなどが実際には想定される」と答弁し、マイナ保険証の優先受付そのものは否定しませんでした。
マイナ保険証により受付事務が効率化される根拠として、①システム登録への手間が軽減される②問診表などでの聞き取るよりも正確かつ効率的③スムーズな受付が可能となる等を例示しました。
しかし、現状ではマイナ保険証の方が受付に時間を要することは明らかであり、厚労省の認識は医療現場の実態から大きく乖離しています。現行の健康保険証の方が早かったら保険証優先受付も許されるのでしょうか。
Q3.マイナトラブルに伴う国民の不安払拭について
武見大臣は「マイナンバー紐づけミスの総点検は終了した」「安心して利用できる環境が整備された」と答弁しました。
しかし、マイナンバー紐づけミスの総点検は23年9月時点の情報であり、その後の転居・転職等に伴う現在のデータに基づく点検となっていません。事実関係をご説明いただきたい。
また、大阪府保険医協会が6月6日に公表したマイナトラブル調査では、マイナンバー紐づけミスを含むさまざまなトラブルが未だに続いていることが分かりました。武見大臣が「安心して利用でいる環境が整備された」とした根拠は何か? 一連のマイナトラブルについて解消されていないと認識しているがいかがか?
Q4.被保険者証交付義務規定の削除について
武見大臣は「健康保健法施行規則のける被保険者証の交付義務の削除は、23年6月の健康保健法が改正を受けた省令の改正に過ぎない」と答弁したが、改正法では健康保険証の廃止は規定されていないが、同法改正では、資格確認書が新設されただけであり、現行の健康保険証が廃止されるという規定は存在しないが法令解釈を示されたい。
2024年6月16日
厚生労働大臣
武見 敬三 殿
マイナカード取得、マイナ保険証利用を強要しないで
マイナ保険証利用キャンペーンは中止を
6月20日 厚労省要請 事前質問
全国保険医団体連合会
6月20日の厚労省要請の事前質問を送付します。当日ご回答いただけますようお願い申し上げます。
<マイナ保険証利用促進キャンペーン>
Q1:厚労省は5月から7月のマイナ保険証利用促進集中取組月間において、保険医療機関、保険薬局に対して「マイナ保険証利用勧奨」、「マイナカード取得勧奨」キャンペーンへの協力を強要しているが、保険医療機関、保険薬局が協力する義務はあるのか?
Q2:厚労省はマイナ保険証利用率が3%以下の医療機関・薬局に対して一斉にマイナ保険証利用勧奨のメールを送信している。受け手側としては義務性があるもの、「個別指導」とも受け止めている。保険医療機関等に義務性がないものを強要するメールやアンケートや送ることは問題ではないか。
Q3:令和5年度補正予算でマイナ保険証利用増に対しインセンティブ補助金(217億円)を計上したが、当該補助金は、保険医療機関等から申請なしで厚労省から支払う仕組みとした。破格の扱いとした法的根拠は?他の補助金でもプッシュ型の補助金を採用するのか?マイナ保険証推進に加担したくない医療機関等も受取拒否することができる仕組みは設けているか?
<マイナ保険証利用促進チラシ、トークスクリプト>
Q4:厚労省作成のチラシを見た患者さんから、「12月で保険証が使えなくなる」「マイナカードの切り替えが必要と誤認した」との受け止めが相次いでおり、国民の誤解を招き、不安・懸念を抱かせている。チラシを回収または修正する考えはないか?
Q5:医療機関・薬局向けの台本(トークスクリプト)では、医療機関・薬局からのマイナカード利用の声掛けに対して「いいえ」と回答した患者・国民に対しても、マイナ保険証利用登録、マイナ保険証利用を強要する話法になっている。また、マイナカード所持していない方にも、保険証廃止を人質にマイナカード取得を強調する話法としている。トークスクリプトを回収または修正する考えはないか?
Q6:トークスクリプト(台本)は、マイナカードの取得は国民の任意選択(申請主義)とした番号法に反するのではないか?
武見厚労大臣もマイナカード取得やマイナ保険証利用登録、マイナ保険証の利用は任意と繰り返し答弁している。医療機関・薬局での声掛けで法令違反ともとれる行為が散見されるが厚労省としての責任はないのか?
Q7:また、医療機関・薬局での声掛けやチラシには、マイナ保険証を持っていない方に申請によらず「資格確認書」が交付されることや現行の健康保険証は12月2日以降も最大1年間使用できることなど法的権利も明示・説明されていない。
医療機関・薬局と患者との関係性、優位な立場を利用して強要することは信頼関係を破壊するものであり、声掛けやチラシ配布は直ちに中止すべきだが、キャンペーンを主導・推進してきた責任をどう考えているのか?
<押し付けによる患者トラブルと厚労省の責任>
Q8:強引かつ違法性があるマイナ保険証利用勧奨、マイナカード取得勧奨による被害がSNSで告発され、メディアでも報道されている。
「薬局で健康保険証では受付できないと言われた」、「マイナ保険証を勝手に紐づけられた」、「マイナ保険証しか使えないと誤解した」など苦情が相次いでいます。
患者が処方箋を薬局に出しているのにマイナ保険証でしか受付できなかったことにより、薬局側が患者さんに謝罪文を出すに至った事例も出ている。
「薬局で今年の7月末で保険証(後期高齢)が使えなくなる、次回からマイナカード持参してと言われた」「12月以降マイナカード(マイナ保険証)がないと一旦10割負担になるので注意して」と言われたなど「虚偽」情報を窓口で伝えられて患者さんが困惑している。
<処方箋を提出しても薬がもらえない 法令解釈>
Q9:健康保険証を受け取らない運用を開始した薬局は、患者が処方箋を提示しているのに正当な理由なく処方薬を出さなかったことと捉えられる。「マイナ保険証でしか薬出さない」は薬剤師法第21条「調剤の求めに応ずる義務」にも抵触するのではないか。
Q10:テレビ朝日「モーニングショー」の報道では、厚労省が「薬局で受付をマイナ保険証に限定する行為についてコメントしている。マイナ保険証優先受付やマイナ保険証のみ受け付けるとした運用に対して見解をお伺いしたい。
2024年6月13日
厚生労働大臣
武見敬三 殿
全国保険医団体連合会
6.20厚労省要請
マイナ保険証利用・マイナカード取得強要キャンペーンの是正・中止
「被保険者証交付義務」省令規定の削除は中止
厚労省は、5月24日に「健康保険証の交付義務」規定を削除する省令改正案をパブリックコメントに付しました。保団連は、6月6日に公式X上でパブコメへの意見提出を呼び掛け、短期間で200万インプレッションを記録するなど関心が大きく広がっています。大阪協会の調査でも今年に入ってからマイナトラブルが65%の医療機関で報告されており、紐づけミスも含めたトラブルが散見されています。医療機関・薬局、患者・国民の「保険証を残して欲しい」と願う意見を踏まえて、「被保険者証の交付義務」省令規定の削除は中止すべきです。
5月から7月のマイナ保険証利用促進キャンペーンでは、厚労省マニュアルに沿って医療機関・薬局側が患者にマイナ利用が強力に呼び掛けられていますが、そのことが患者トラブルを招いています。マイナ保険証の利用促進にとどまらず、任意のマイナカード取得を強要する形となり、任意原則に反するとして反発が強まっています。
また、12月2日以降も最大1年間の健康保険証が使えることやマイナ保険証を持たない方には当分の間、申請によらず資格確認書が交付されことがほとんど周知されていない中で「12月以降はマイナ保険証がないと医療が受けられない、薬がもらえない」などの誤認を招いています。医療機関・薬局の責任とされていることに反発も広がっています。強引なマイナ利用キャンペーンは中止すべきです。
記
<要請内容>
マイナ保険証利用・マイナカード取得強要キャンペーンの中止・是正を求めます
マイナトラブルが続く中で「被保険者証交付義務」省令規定の削除は中止
日時:6月20日(木)15時~16時(予定)
会場:参議院議員会館・第一議員会議室(1F)
参加者:
厚労省:国保課課長補佐 山科雄志氏
医療介護連携政策課係長 山根 清氏
同保険データ企画室主査 井上智貴氏
保団連:橋本政宏副会長(医科)、 本並省吾事務局次長、松山洋事務局主幹
※倉林明子参議院議員も同席
※報道関係者はフルオープンとなります。
*問い合わせ:03-3375-5121 担当:本並)まで
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