第2回 「公費医療」運用の手間変わらず マイナ保険証運用拡張

第2回 「公費医療」運用の手間変わらず マイナ保険証運用拡張

(1)「限度額管理表」の確認など必要

子ども医療費や難病医療費助成などでのマイナ保険証利用については、デジタル庁が開発した情報連携システム基盤となるPMH(Public Medical Hub)を通じて行います。患者がマイナ保険証で医療機関を受診した場合、カードリーダー操作を通じてPMHに照会がかかり、通常の健康保険の資格情報(例えば、1~3割負担)に加えて、公費負担医療等に係る受給資格情報が医療機関に返信されます。例えば、窓口負担が通常3割のところ公費医療で2割、月負担上限額が同8万円から同2万円に変更などといったものです。
もっとも、例えば自立支援医療、難病医療などでは、患者は、通常の健康保険証(又はマイナ保険証)に加えて、別途、窓口負担上限額などを記載した「医療受給者証」、同月内に支払った窓口負担額(合計)等を確認・調整する「自己負担上限額管理票」を持参しています。患者がマイナ保険証を使う場合、医療機関では、患者の保険資格・公費受給資格の有無・種類はわかりますが、患者が同月内に自己負担額を幾ら支払っているか(窓口負担上限額に達しているか)は分かりません。結局、患者が持つ「上限額管理表」もチェックすることから、現行の運用に比べて手間は変わりません。
(下図は、小児難病の医療費助成の様式事例。左が「限度額管理表」、右が、「医療受給者証」。)

「公費負担医療等の手引2021」(保団連発行)

(2)誤情報は公費患者には死活問題

かえって、現在のマイナ保険証で相次いでいるように、受給者証券面の記載と異なる(誤った・古い)資格情報が返信されてきた場合、トラブル・混乱が生まれ患者への円滑・迅速な医療提供に支障を来すことは必至です。
公費負担医療を利用する患者は、働き方が制限され経済生活が厳しい人が少なくありません。難病の患児を抱える世帯は若い年齢の夫婦も多く、医療外の費用や育児の苦労(兄弟・姉妹へのケア含め)も重なる一方、収入は決して高くありません。遠方地の受診、付添・宿泊など医療関連費用も嵩む中、確実な窓口負担軽減の運用(正確な受給資格確認)は死活問題です。
また、正確な資格情報が着信しても、医療機関において、窓口業務で使用するパソコン(レセプトコンピュータ)が正確に情報を読み取れるようシステム仕様・改修が支障なく進むかも危惧されます。助成制度の変更があれば、都度、システム改修も必要になります。