第6回 切れ目ない支援の拡充、子ども助成の現物給付化こそ マイナ保険証運用拡張

第6回 切れ目ない支援の拡充、子ども助成の現物給付化こそ マイナ保険証運用拡張

マイナ保険証をめぐるトラブルが続き、患者や医療現場は多大な迷惑を被っています。子ども医療費助成や公費負担医療を受ける患者にしても、ほとんどが迅速・確実に資格確認できる「健康保険証」を利用しているのが現状です。国は、患者にとって紙の受給者証等を持参する手間が軽減すると強調していますが、患者・国民からすれば、膨大な個人情報漏洩の引き金になるマイナンバーカードを持ち歩く方がよほど危険です。
難病助成をめぐっては、小児がん、白血病、先天性心疾患、糖尿病(1型)などにり患した子どもは様々な障害・困難を抱えるにもかかわらず、大人にもがんや糖尿病などがあるとして、成人(18歳以上、又は20歳以上)になると通常同様に3割負担とされてしまうなどはじめ、トランジション(生涯を通じたい切れ目ない支援)の問題も依然解決されていません。
子ども医療費助成では依然、窓口支払時での軽減・無償化(現物給付)でなく、一旦窓口で一部負担割合相当分を支払った後、患者が申請して還付を受ける運用(償還払い(現物給付との併用含め))の所が少なくありません(都道府県単位では、22道府県)。償還払いでの運用は、低所得世帯を中心に子どもの受診抑制(さらに親の受診抑制)が避けられません。PMHを通じてマイナ保険証を使用した場合においても、子ども医療費助成などが現物給付に切り替わる形ではありません。
巨額な税金を投じてマイナ保険証の運用をやみくもに広げていく前に、公費負担医療の改善や全国の自治体での子ども医療費助成の現物給付化に向けて、国が支援することが先と考えます。