【シリーズ・薬の保険外し④】医薬品不足で先発品切り替えで負担増 

今でも負担が重いのに

 ジェネリックを製造する企業の不祥事による生産ラインの停止や円安による製造コスト増に加え、原薬が世界的に調達困難となる中、後発医薬品の安定供給は危機に瀕しています。

大阪府保険医協会の調査では、後発から先発に切り替えざるを得なかった場合、患者が高額な薬を嫌がり拒否した例も出ています。

どうしても薬を飲まないと健康が維持できないが、先発品の薬価が高くて負担に耐えられないとの声が出されています。

例)

■ 持続性 ca 拮抗薬配合剤
イルアミクス(後発品:薬価22.7円)→アイミクス(先発品:薬価69.2円

医薬品不足は深刻! 先発品も切り替えで大幅に負担増えた  大阪協会 患者影響調査より

例示した血圧を下げる薬のCA拮抗剤の後発医薬品(イルアミクス)が不足し、先発医薬品(アイミクス)ーに切り替えたら薬価が約50円も高くなりました。

薬価差額に保険がきかなくなると、差額の50円が自費になります。窓口負担3割だと20円(69.2円×0.3)で済みますが約2.5倍になります。

薬の保険外しは何倍にも負担が増えること、患者は処方されるまで薬の値段がわからないので「一体いくらかかるのか?」心配になります。医師が患者に薬価差額を説明することが必要となるため診療に時間を割くことがさらに困難となります。

(続く)