【シリーズ・薬の保険外し⑤】ジェネリック置き換えで健康影響も

厚労省は、「創薬財源確保」や「後発品誘導による医療費削減」を目的に後発医薬品と長期収載品の薬価差額を窓口負担とは別に患者から徴収するため差額を保険給付から外す制度の導入を狙っています。

しかし、医薬品不足が続く中、先発医薬品を不可抗力的に選択せざるを得ない中で、患者から窓口負担(3割)とは別に差額を徴収する制度の導入はあまりにも実態とかけ離れた政策を言わざるを得ません。

医師がどんな薬を選択するか。薬の薬理作用ではなく、保険がきかなくなるなど処方誘導・処方制限により選択が迫られた場合どうなるか?岡山県保険医協会の調査でその一旦が垣間見えます。

「気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療薬であるキプレス錠は、後発医薬品だと喘息改善度が悪く咳が8割程度しか改善しない

湿疹や皮膚炎などの治療薬である「リドメックス軟膏」を後発医薬品に置き換えたら「炎症は改善するが発赤が消えない、カサカサ感も残る」との事例が報告されました。

広く使われている保湿剤の「ヒルドイドローション」や「ヒルロイド軟膏」、湿布薬の「ロキソニンテープ」も、「使用感が悪い、効果が低い」の事例が複数寄せられました。内用薬と外用薬とも後発医薬品への変更が難しい薬剤が存在します。

ジェネリック「置き換え」で健康影響!? 岡山県保険医協会の後発品置き換え困難事例調査より

続く)