【シリーズ・薬の保険外し⑦】「患者選択」どころか経済的理由で受診・服薬できない

厚労省は、後発医薬品があるのに先発医薬品を選択するのは「贅沢」との烙印を押し、患者が後発医薬品がある先発医薬品を処方された場合に差額負担を求めています。そもそも処方薬は、薬価収載された医薬品を医師が患者の特性・個別性を踏まえて処方する薬です。

副作用など服薬後の状況、症状の改善や、血圧・血糖のコントロールなど患者の状態を適宜管理しながら服薬指導を行います。医療制度上、患者さんが自分だけで選択することはあり得ません。

一方、相次ぐ窓口負担増の結果、経済的理由による受診抑制や投薬・検査の拒否事例が現実化しています。必要な医療が受けたくても、受けられない状況に追い込まれています。一部負担金とは別に負担させられると受診抑制がさらに深刻になります。厚労省は受診抑制も「患者選択」というのでしょうか?

長期収載も後発医薬品もいずれも薬価基準収載(保険収載)した薬剤です。医師の処方や薬剤師の調剤において長期収載か後発医薬品かのどちらを選択しても保険給付されるのが当たり前です。薬価収載された医薬品を保険給付の対象外とすることはこれまでのルールから大きく逸脱しています。

(続く)