薬剤・医療費削減や創薬目的など経済的な理由による選定療養化は筋違いです。後発医薬品の安定供給に向けて薬価引上げながら、長期収載品の薬価の引き下げも既存ルールの適用で十分に対応できます。新薬偏重の薬価制度の歪みを質すことこそが大事ではないでしょうか。
後発医薬品使用により薬剤費全体の抑制を図る点も取りざたされていますが、年間10.4兆円の薬剤費のうち後発医薬品が存在する先発医薬品(長期収載品)のシェアは18%にすぎません。1割強の品目数にもかかわらず金額シェアで59%を占める新薬の高薬価を是正する方がはるかに財政抑制上は効果的です。
(続く)