高齢者の窓口負担3倍化で命・健康が蝕まれる① 「健康で長生き」が贅沢になる 

高齢期に入るとどうしても体の不調・不具合が生じてしまいます。「健康で長生き」という誰もが願う要求を実現するため、「健康寿命延伸」に向けて医師・歯科医師、医療関係者が適切にサポート・伴奏しながら自らの健康管理に努めていくことが非常に重要となる時代です。ところが政府は「高齢者医療は優遇」「現役世代の過度な負担」など一方的な情報配信を通じて世代間の分断・対立を煽り、高齢者が医療機関を受診する際の窓口負担増を繰り返してきました。食費を切り詰め、低年金でギリギリの生活を強いられています。調子が悪くなりがちな高齢者、実際病気で治療中の高齢者もお金が払えなくて医師の治療が受けられない事態が現実化しています。

高齢者は最大の功労者

日本の公的医療保険制度は、被保険者が生涯にわたり所得に応じた社会保険料を払うだけで、保険証一枚で医療が受けられることが特徴です。日本の高齢者人口は増加の一途ですが、75歳以上の高齢者の大部分をしめる「団塊の世代」は現役時代、日本の高度経済成長期を築き、原動力となってきました。数十年にわたり朝から晩まで残業も厭わず働き続けそして、所得税や社会保険料を払い続けてきました。日本が先進国として認められるに至る「最大の功労者」と言っても過言ではありません。

 

維新が「高齢者切り捨て」を提言

日本維新の会は3月5日、高齢者医療の「窓口負担3割化」や「高額療養費制度の見直し・大幅負担増」を求める政策提言を発表しました。この団塊世代を狙い撃ちにし、医療費の大幅負担増を迫っています。

患者・国民を医療からさらに遠ざけることになり、命・健康が蝕まれることを医療団体として大変危惧します。シリーズで高齢者医療のあり方を考えます。