【11.30記者会見・厚労省要請】 「薬剤自己負担」「保険給付外し」は止めて 医療現場からの報告

報道各社 御中

 

11月30日記者会見、厚労省要請のご案内

医薬品不足の最中で薬剤自己負担、保険給付外しは止めて 医療現場からの報告

在庫不足で「後発品促進」は名ばかり 「創薬」に患者から追加負担は無理筋! 

医師の必要な処方判断を尊重して 処方制限による治療への影響を避けたい! 

子ども医療費ゼロでも追加負担!

全国保険医団体連合会

11月9日の社保審医療保険部会にて厚労省は、後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)を使用した場合に、窓口負担(3割)とは別に患者に負担させる仕組みの導入を提案しました。患者からは一部負担金とは別に薬剤自己負担を徴収する案が検討されています。先発医薬品と後発医薬品の差額は「選定療養=保険給付外」となり、自費扱いとなります。保険給付外しにより浮いた公費財源は、製薬企業の新薬創薬の財源とする考えを示しています。「創薬」財源確保のために新たに患者負担増とすることは許されません。医師の判断で患者の個別性、疾患の状態を踏まえ医療上必要な処方を選択しています。先発医薬品(長期収載品)を利用すれば窓口負担とは別に負担させられる制度の導入は、処方誘導・処方制限に等しいものであり、医師の処方権を侵害するものです。先発医薬品と基剤、剤形の違いで薬効・効能の違いが出てくる後発医薬品もあり、「患部や症状が改善しない」、「コントロールがしにくい」など後発医薬品と先発医薬品を一律に線引きすることは容易ではありません。厚労省は、薬剤保険外しは、新薬の創薬力の強化が目的であり、保険財源の枠内で調達するとの政府の方針と主張し、先発品と後発品の差額を患者から徴収することを正当化しています。目下、後発医薬品は幅広い品目で出荷調整が出されており、安定供給には程遠く、先発医薬品に処方変更せざるを得ない状況にあります。物価高騰、年金引き下げなど高齢者の生活実態は深刻な状況です。追加の薬剤負担増でさらなる受診抑制・健康悪化を招くこと、差額徴収により患者と医師の信頼関係を崩し、治療への影響も避けられません。保団連は、長期収載品の「保険給付外し」に断固反対し、患者・国民とともに負担増計画の中止を強く求めます。記者会見では薬剤自己負担、保険給付外しに伴う臨床現場の声・調査を元に患者・国民への影響を明らかにするとともに、厚労省に医薬品安定供給とともに、薬剤自己負担導入の中止を要請します。

日時:2023年11月30日(木)

14:00~15:00 保団連の厚労省要請(記者の皆様もご出席いただけます) 

15:00~16:00 記者会見

場所:衆議院第2議員会館 第一会議室

ウェブ参加  参加 Zoom ミーティング

<記者会見報告>

薬剤自己負担問題に加えて暗証番号なしマイナカード 診療報酬マイナス改定問題も追加で報告します

内用薬、外用薬 幅広い品目で置き換え困難 (岡山協会 後発品置き換え困難事例調査)

医薬品不安定供給が続く中、治療上、先発医薬品を必要とする患者が存在しています。岡山協会は、後発医薬品を選択しないと先発品との差額が保険給付外し(患者負担増)になる問題で会員医療機関に緊急アンケートを実施。内用薬、外用薬含めて幅広い品目で後発医薬品への置き換えが困難な事例が報告されました。

医薬品不足で先発しか選択できない事態に 「差額は自費」は無責任(大阪協会調査 患者健康影響)

「後発から先発に変わって負担が増えた 」具体的 事例も報告

医薬品不足で他剤切り替え、休薬で患者に深刻な影響が出ています。▽2型糖尿病注射薬トリルシティ、マンジャロの不足で血糖値コントロール不良、糖尿病悪化▽抗うつ剤トリプタノール、精神神経安定剤コントミンの不足で他に変わる薬が乏しい、代替薬で頭痛が悪化▽産婦人科関連 月経異常の方に投与するデュファストンや止血剤が不足し代替薬がなく処方できない▽メジコンやムコダインなど咳止め・去痰薬が不足で肺炎や気管支炎の回復に影響などです。医薬品不足、健康影響が懸念される中、先発医薬品(長期収載品)を選択したら後発医薬品との差額を自費化(保険外し)するのは無責任です。

特許が切れた先発医薬品の薬価引き下げで十分では(岐阜協会 2015年 後発医薬品使用に関するアンケート)

岐阜協会が2015年に実施した調査では、後発医薬品を使用する医師の46%が副作用を経験。先発医薬品の薬価も特許期間が切れて後発医薬品が販売された段階で、後発医薬品の薬価並みにすべきだとの意見が57%もありました。医療費抑制を進めながら、先発医薬品の薬価は優遇するという、何とも矛盾する仕組みです。先発医薬品の薬価を引き下げれば、参照価格制度の導入なども必要なくなります。

<関連情報>

「医療現場に薬がないなんて」 患者に深刻な影響

全国保険医新聞記事11月25日号

注射薬入手できず 血糖コントロール不良も 

全国保険医新聞11月25日号

【声明】後発医薬品が不足する中での薬剤自己負担の見直しに反対する 11月17日