2月のマイナ保険証利用率は4.99% 強引な普及策も実らず 

2024年2月のマイナ保険証利用率は4.99%、マイナ保険証の利用件数は838万件でした。1月のマイナ保険証利用率は4.60%のため前月比0.3ポイントの増加です。マイナ保険証の利用件数は前月比で85万件増加しました。

厚労省は、あらゆる手立てを用いて「マイナ保険証使ってみようキャンペーン」に取り組んできました。医療機関でのマイナ保険証利用率増加におうじたインセンティブ補助金等で217億円、マイナトラブル解消のためのシステム改修費に367億円、マイナ保険証利用促進のためのコールセンター、ポスター等広報費で41億円など23年度補正予算だけでマイナ保険証推進に887億円を計上しました。

さらに、令和6年度診療報酬改定でも医療DX推進体制整備加算を設けて一定のマイナ保険証利用率に達したら加算点数が得られるなどインセンティブをつけました。

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国家公務員のマイン保険証利用率低迷を受けて、厚労省職員向けに武見敬三厚労大臣が厚労省職員向けにビデオメッセージを発信して協力に呼び掛けていました。しかしながら、国民全体の利用率は「鳴かず飛ばず」、「笛吹けども踊らず」の結果となりました。

厚労省は2月に17万の医療機関・薬局に対して、半強制的なアンケートを実施し、マイナ保険証の利用の声掛けを依頼していました。厚労省が2月29日医療保険部会に報告したアンケート結果によると、4割の医療機関が「マイナカードお持ちですか」と訴えかけたと回答していました。

そこまで徹底していてもマイナ保険証の利用率が5%すら届かなかったことは重大な事実です。マイナ保険証の利便性・メリットが皆無であることを意味します。

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薬剤情報閲覧件数は294万件、閲覧率は35%と微減

薬剤情報の閲覧件数は23年4月の473万件をピークに降下し続けています。2月の薬剤情報閲覧の利用件数は294万件となり、1月(286万件)より8万件増加しましたが、2月のマイナ保険証利用件数が838万件のため35%(前月38%)しか薬剤情報の閲覧に同意していないことになります。薬局では処方箋で資格確認し、服薬情報の確認はお薬手帳で十分だからです。薬剤情報閲覧はオンライン資格確認を利用した総件数に占める比率でみるとわずか1.75%でした。

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24年1月のマイナ保険証利用率は4.6% 「薬剤情報」利用率はわずか1.75% 

薬局での「薬剤情報閲覧率」は28.5% お薬手帳と処方箋で十分!