3疾患(糖尿病、高血圧症、脂質異常症)で9割を占める 特定疾患療養管理料「廃止」そのもの
生活習慣病等の療養管理を行った場合を評価する特定疾患療養管理料、特定疾患処方管理加算の算定対象疾患の9割が糖尿病、高血圧症、脂質異常症です。3疾患が対象疾患から除外されると特定疾患療養管理料は実質上、廃止となります。さらに、生活習慣病管理料と外来管理加算(再診料加算)の併算定は不可とされ、特定疾患処方管理加算についても28日以上の処方に算定が限定されます。200床未満の中小病院や診療所が大幅減収で経営困難に陥ります。
大幅な減収穴埋めで長時間労働に拍車
特定疾患療養管理料の廃止は、医療現場の働く環境にも多大な影響を及ぼします。現在、診療所において、再診回数に占める特定疾患療養管理料の回数割合は、内科は67.4%、外科で44.6%、小児科で36.2%などです(社会医療診療行為別統計2022年6月審査分)。算定の大半を占める高血圧・糖尿病・脂質異常症などで特定疾患療養管理料(及び特定疾患処方管理加算)が算定できなくなる場合、内科系診療所を中心に大幅な収入減となります。
診療報酬が算定できなくなっても、医療現場ではこれまで同様、必要な患者に対して療養上の指導などは続けざるを得ません。大幅な収入減を補うには診療時間(診療患者数)は延ばしより多くの外来患者を診察せざるを得ません。医師・医療従事者の長時間労働や働く環境がさらに悪化することが危惧されます。