【2024年診療報酬改定】特定疾患療養管理料「廃止」の衝撃⑤ 新点数に移行できても年223万円の削減

 ※3月5日の発出情報を基に一部修正しています。

2024年診療報酬改定の答申では、特定疾患療養管理料の対象疾患から糖尿病、高血圧、脂質異常症を除外されました。改定率でマイナス0.25%、医療費ベースで1200億円相当の大規模なリストラ策です。40426施設ある内科系診療所を狙い撃ちにした報酬削減です。特に小規模でかつ慢性的な赤字を抱えながら地域医療を支えてきた地方の医療機関には大打撃となります。保団連は特定疾患療養管理料「廃止」による改定影響を推計しました。

参考:医療法人の25%が赤字―報酬引き下げで約1万医療機関がさらに経営困難に

 

新点数への移行前提でも月18.6万 年223万円の減収

 特定疾患療養管理料から3疾患を除外されたものの、3疾患の算定をすべて生活習慣病管理料Ⅱに移行できたとしても1医療機関あたり月額18.6万円、年間223万円もの減収となることがわかりました。職員の年収に相当するレベルの削減となります。看護職員等のベアアップ加算を改定に盛り込みましたが、今般の特定疾患療養管理料「廃止」で給与支払が困難となる衝撃的な推計となりました。

 

賃上げどころか賃金維持も困難な削減

2024年診療報酬改定では医療従事者の賃上げ・処遇改善に重点配分されました。看護職員の賃上げ財源として外来ベースアップ評価料①(初診6点、再診2点)が新設されました。診療所では月額1.3%の賃上げが可能となるよう設計されています。外来ベースアップ評価料Ⅰを算定した場合、基本給に加えて1.3%の賃上げが必要となり報告も求められます。ところが、特定疾患療養管理料「廃止」で月18.6万近い収入減で、賃上げどころか基本給の支払いも困難となります。

医療機関から「これでは処遇改善どころか給与確保もままならない」「賃上げしないと職員の確保も困難」など悲鳴が上がっています。地域医療の縮小淘汰をもたらすことは確実であり、「かかりつけ医」推進とは程遠い状況に追い込まれます。

 

推計方法と影響額試算

冒頭の表の数値の算出根拠等を記載

〇試算は2022年度の概算医療費データベースと社会医療診療行為別調査の実績数値を用いて実施しました。内科系診療所(入院外)においては、特定疾患療養管理料を算定する患者のうち11%(内科の平均)が月2回の受診頻度と推計できます。(レセプト件数と算定回数が10:11より、1割強が月2回(算定上限回数)と推定。)

〇診療所の特定疾患療養管理料は年5,976億円。特定疾患の算定に占める主傷病名の割合では、高血圧症(57.7%)、糖尿病(16.2%)、脂質異常症(23.9%)となります

〇3疾患の除外で最大97%(3疾患計)が除外されると想定すると、増減対象は5,797億円になります。

〇月1回、特定疾患療養管理料を算定している患者では、現在は343点(特定疾患療養管理料:225点+特定疾患処方管理加算2:66点+外来管理加算:52点)ですが、改定後は新設の生活習慣病管理料Ⅱ(333点)にスライドできたとしても、マイナス10点になります。

〇月2回、特定疾患療養管理料を算定している患者では、現在は590点(特定疾患療養管理料:225点+特定疾患処方管理加算1:18点+外来管理加算:52点をそれぞれ2回算定)ですが、改定後は新設の生活習慣病管理料Ⅱ(333点)にスライドできたとしても、マイナス257点になります。

〇内科系診療所(約4万件)の1カ月の平均レセプト件数などを基に試算すると、特定疾患療養管理料が生活習慣病管理料Ⅱに完全に移行した場合でも約735億円削減となります。

〇特定疾患処方管理加算1の廃止でマイナス61億円。最後に、処方箋料は、68点から60点にマイナス8点となり、年間だと232億円が削減されます。

〇トータルの削減額は1,028億円となり、改定率で示された▲0.25%(医療費ベース▲1,200億円)に近くなりました。

〇プラス要素として再診料が73点から75点に2点上がるが、年間でわずか75億円の増加にすぎません。総計して、953億円の削減になります。

〇内科系診療所(主たる診療科)で月額に割り戻すと、1医療機関当たりで、月18.6万円の減収になります。生活習慣病管理料Ⅱに移行できたとしても、職員1人分相当の賃金が吹き飛ぶことになります。

生活習慣病管理料 療養計画書

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15 別添1の2 生活習慣病 療養計画書 初回用 B001-3生活習慣病管理料(I)、B001-3生活習慣病管理料(II) 別紙様式9
[PDF:85KB]
16 別添1の2 生活習慣病療養計画書 継続用 B001-3生活習慣病管理料(I)
B001-3-3生活習慣病管理料(II)
別紙様式9の2
[PDF:88.7KB]